学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0223

理由で解く 臨床医学各論

Q0223 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題54
問題
アルコール性肝障害について誤っているのはどれか。
選択肢
1 治療の基本は禁酒である。
2 肝生検は診断に有用である。
3 飲酒量が同量の場合、男性の方が発症しやすい。
4 γ-GTが高値である。
解答
正解3(飲酒量が同量の場合、男性の方が発症しやすい)
解説
✗ 1.
治療の基本は禁酒である。
✗ 正しい。アルコール性肝障害の治療の基本は禁酒(断酒)である。 禁酒によりアルコール性脂肪肝は比較的速やかに改善する。 アルコール性肝炎も禁酒により改善が期待できるが、肝硬変に進行した場合は不可逆的変化が残る。
✗ 2.
肝生検は診断に有用である。
✗ 正しい。肝生検はアルコール性肝障害の診断に有用である。 肝組織の病理学的検査により、アルコール性脂肪肝・アルコール性肝炎・アルコール性肝硬変の鑑別や重症度の評価が可能である。 マロリー小体(Mallory-Denk body)の存在はアルコール性肝障害に特徴的な病理所見である。
✓ 3. 誤り
飲酒量が同量の場合、男性の方が発症しやすい。
飲酒量が同量の場合、男性ではなく女性の方がアルコール性肝障害を発症しやすい。 女性は男性に比べてアルコール分解酵素(アルコール脱水素酵素・アルデヒド脱水素酵素)の活性が低く、体脂肪率が高いため体内のアルコール濃度が高くなりやすい。 そのため、男性の約半量の飲酒でも肝障害を発症するリスクがあり、男性は日本酒3合以上5年以上、女性はその半量で発症しうる。
✗ 4.
γ-GTが高値である。
✗ 正しい。アルコール性肝障害ではγ-GT(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)が高値を示す。 γ-GTはアルコール摂取により誘導される酵素であり、飲酒量を反映するマーカーとして用いられる。 AST優位のトランスアミナーゼ上昇(AST/ALT比>1、しばしば>2)もアルコール性肝障害の特徴である。
ポイント
  • 同量の飲酒では女性の方が男性より肝障害を発症しやすい。アルコール分解能の性差と体脂肪率の差が原因であり、女性は男性の約半量で発症リスクがある。
  • 治療の基本は禁酒であり、γ-GT高値とAST/ALT比>1がアルコール性肝障害の特徴的な検査所見である。
  • 肝生検によりマロリー小体の確認が確定診断に有用である。アルコール性肝障害の進展は脂肪肝→肝炎→肝硬変の順序をたどる。
  • 重要用語: γ-GT, AST/ALT比, 禁酒, 女性の方が発症しやすい, マロリー小体 を正確に理解しておくこと。
比較表
特徴 アルコール性肝障害 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
原因 常習飲酒(5年以上日3合以上) 肥満・糖尿病・脂質異常症
検査所見 γ-GT著明上昇、AST/ALT>1 ALT優位の上昇、AST/ALT<1
病理所見 マロリー小体 脂肪変性、風船様変化
治療 禁酒(断酒) 食事療法・運動療法・減量
性差 女性の方が少量で発症 男性に多い
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題54|アルコール性肝障害について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題54|アルコール性肝障害について誤っているのはどれか。
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