学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0918

理由で解く 臨床医学各論

Q0918 循環器疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題59
問題
右心不全によくみられる身体所見はどれか。
選択肢
1 肺うっ血
2 頻呼吸
3 下肢の浮腫
4 四肢チアノーゼ
解答
正解3(下肢の浮腫)
解説
✗ 1. 誤り
肺うっ血
肺うっ血は左心不全の特徴的所見である。左心室のポンプ機能低下により左房に血液がうっ滞し、肺静脈圧・肺毛細血管圧が上昇することで肺うっ血が生じる。胸部X線では心拡大や両側肺門部の浸潤影(こうもりの翼状陰影)を認める。右心不全では体循環系のうっ血が主体であり、肺うっ血は生じにくい。
✗ 2. 誤り
頻呼吸
頻呼吸は左心不全による肺うっ血の結果として生じる症状である。肺うっ血により肺でのガス交換が障害され、息苦しさから呼吸回数が増加する。左心不全では労作時呼吸苦から始まり、進行すると安静時呼吸苦を自覚するようになる。右心不全に特徴的な所見ではない。
✓ 3. 正しい
下肢の浮腫
右心不全では右心室のポンプ機能が低下し、上・下大静脈のうっ血をきたす。その結果、下肢の浮腫(すねで圧痕を残すむくみ)が出現する。他にも頸静脈怒張、肝腫大(うっ血肝)、食欲低下、倦怠感、腹水などの体循環うっ血の所見がみられる。これらはすべて右心系への還流血液のうっ滞によるものである。
✗ 4. 誤り
四肢チアノーゼ
四肢チアノーゼは末梢循環不全によりみられることがあるが、右心不全に最も特徴的な所見としては下肢浮腫・肝腫大・頸静脈怒張の方が適切である。チアノーゼは心不全に限らず様々な原因(呼吸不全、ショックなど)で生じる非特異的な所見である。
ポイント
  • 右心不全の所見は体循環うっ血に起因する:下肢浮腫、肝腫大、頸静脈怒張、腹水、食欲低下。左心不全の所見は肺循環うっ血に起因する:肺うっ血、起座呼吸、夜間発作性呼吸困難、ピンク色泡沫状痰。
  • 左心不全が進行すると肺高血圧をきたし、右心不全も合併する(両心不全)。左右心室の機能低下はやがて両心室の機能低下へと進行する。
  • 心不全の増悪要因として感染、貧血、不整脈、塩分・水分負荷、高血圧症などがある。
  • 重要用語: 右心不全、下肢浮腫、体循環うっ血、肝腫大、頸静脈怒張 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題59|右心不全によくみられる身体所見はどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題59|右心不全によくみられる身体所見はどれか。
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