学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0893

理由で解く 臨床医学各論

Q0893 循環器疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題70
問題
僧帽弁狭窄症について正しい記述はどれか。
選択肢
1 梅毒によるものが多い。
2 肺うっ血を生じることは少ない。
3 心房細動を起こしやすい。
4 左心室の拡張を伴う。
解答
正解3(心房細動を起こしやすい)
解説
✗ 1. 誤り
梅毒によるものが多い。
僧帽弁狭窄症の最多原因はリウマチ熱の後遺症であり、梅毒によるものではない。梅毒性心血管病変は大動脈弁閉鎖不全症や上行大動脈瘤として現れることが多く、僧帽弁狭窄症の原因としては稀である。
✗ 2. 誤り
肺うっ血を生じることは少ない。
僧帽弁狭窄により拡張期に左房から左室への血液流入が障害され、左房圧が上昇する。左房圧上昇は肺静脈圧・肺毛細血管圧の上昇をきたし、肺うっ血や肺水腫を生じやすい。労作時呼吸困難や起座呼吸などの左心不全症状の主要な原因である。
✓ 3. 正しい
心房細動を起こしやすい。
僧帽弁狭窄症では左房から左室への血液流入が障害されるため、左房内に血液がうっ滞し左房が拡大する。拡大した左房は心房細動を起こしやすくなる。心房細動により心拍数が増加すると左心不全症状が増悪し、また左房内血栓形成のリスクが高まり脳塞栓などの塞栓症の原因となる。
✗ 4. 誤り
左心室の拡張を伴う。
僧帽弁狭窄症では左房から左室への血液流入が減少するため、左室は拡張せず、むしろ縮小傾向を示す。中等度までの僧帽弁狭窄症では心拡大は認めない。拡大するのは左心房と、進行例では右心系である。
ポイント
  • 僧帽弁狭窄症では左房拡大により心房細動を合併しやすく、心房細動は血栓形成と塞栓症のリスクを高める。
  • 左房圧上昇により肺静脈うっ血・肺うっ血が生じ、呼吸困難・起座呼吸などの左心不全症状を呈する。
  • 原因はリウマチ熱が最多であり、梅毒ではない(梅毒は大動脈弁に好発)。
  • 左心室は血流減少により縮小傾向であり、拡大するのは左心房である。
  • 重要用語: 僧帽弁狭窄症, 心房細動, 左心房拡大, 肺うっ血, リウマチ熱 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 僧帽弁狭窄症の所見
原因 リウマチ熱後遺症が最多
左房 拡大(血液うっ滞)
左室 縮小傾向(血流減少)
不整脈 心房細動を起こしやすい
肺うっ血・肺水腫
合併症 塞栓症(脳塞栓など)
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題70|僧帽弁狭窄症について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題70|僧帽弁狭窄症について正しい記述はどれか。
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