学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ I. その他の整形外科疾患 / Q0872

理由で解く 臨床医学各論

Q0872 整形外科疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題81
問題
手根管症候群の原因とならないのはどれか。
選択肢
1 妊娠
2 甲状腺機能亢進症
3 関節リウマチ
4 糖尿病
解答
正解2(甲状腺機能亢進症)
解説
✗ 1.
妊娠
✗ 正しい。妊娠中はホルモン変化と体液貯留(浮腫)により手根管内圧が上昇し、正中神経を圧迫して手根管症候群を発症しやすい。特に妊娠後期に多く、出産後に自然軽快することが多い。
✓ 2. 誤り
甲状腺機能亢進症
手根管症候群の原因となるのは甲状腺機能亢進症ではなく甲状腺機能低下症である。甲状腺機能低下症(粘液水腫)ではムコ多糖類の沈着により組織が浮腫し、手根管内で正中神経を圧迫する。甲状腺機能亢進症では組織浮腫は生じないため、手根管症候群の原因にはならない。
✗ 3.
関節リウマチ
✗ 正しい。関節リウマチでは手関節の滑膜炎により腱鞘が肥厚し、手根管内のスペースが狭小化して正中神経を圧迫する。手根管症候群はリウマチ患者の代表的な末梢神経障害である。
✗ 4.
糖尿病
✗ 正しい。糖尿病では末梢神経が代謝障害により脆弱化し、正中神経の絞扼性障害(圧迫に対する脆弱性増大)を受けやすくなる。糖尿病性神経障害の一型としても手根管症候群がみられる。
ポイント
  • 手根管症候群は正中神経が手根管内で圧迫される絞扼性神経障害であり、母指・示指・中指のしびれ・痛み、母指球筋萎縮が特徴的である
  • 甲状腺機能低下症は手根管症候群の原因となるが、甲状腺機能亢進症は原因にならない点が頻出問題である
  • 検査所見としてファーレンテスト陽性(手関節掌屈でしびれ増強)、ティネル徴候陽性(手根管部叩打でしびれ誘発)が重要
比較表
手根管症候群の原因 機序
甲状腺機能低下症 ムコ多糖類沈着→組織浮腫→正中神経圧迫
妊娠 体液貯留→手根管内圧上昇
関節リウマチ 滑膜炎→腱鞘肥厚→正中神経圧迫
糖尿病 神経脆弱化→絞扼障害を受けやすい
透析(アミロイドーシス) アミロイド沈着→手根管狭小化
先端巨大症 軟部組織肥大→手根管狭小化
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題81|手根管症候群の原因とならないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題81|手根管症候群の原因とならないのはどれか。
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