学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0863

理由で解く 臨床医学各論

Q0863 整形外科疾患

出典:あマ指 第33回(2025) 問題50
問題
肘内障について正しいのはどれか。
選択肢
1 肘関節外側部に腫脹を認める。
2 肘関節の外反動揺性を認める。
3 腕橈関節の後方脱臼である。
4 単純エックス線像では異常を認めない。
解答
正解4(単純エックス線像では異常を認めない。)
解説
✗ 1. 誤り
肘関節外側部に腫脹を認める。
肘内障では肘関節に腫脹は認めない。外観上の変形や腫脹がないのが特徴であり、患児は痛みのために腕を動かさず前腕回内位で下垂したままにする。 肘外側部に腫脹がある場合は上腕骨外顆骨折などの骨折を疑うべきであり、肘内障とは鑑別が必要である。
✗ 2. 誤り
肘関節の外反動揺性を認める。
肘関節の外反動揺性は内側側副靱帯損傷でみられる所見であり、肘内障の所見ではない。 肘内障は靱帯の不安定性による疾患ではなく、橈骨頭が輪状靱帯から逸脱する亜脱臼である。靱帯の断裂や弛緩は伴わない。
✗ 3. 誤り
腕橈関節の後方脱臼である。
肘内障は橈骨頭の輪状靱帯からの亜脱臼であり、腕橈関節の後方脱臼ではない。 完全な脱臼ではなく不完全脱臼(亜脱臼)であり、2〜5歳の小児で輪状靱帯が未発達なために橈骨頭が容易に滑り出て発生する。手を引っ張られることが典型的な受傷機転である。
✓ 4. 正しい
単純エックス線像では異常を認めない。
肘内障では単純エックス線像で異常を認めない。 橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼する疾患であるが、骨の配列に明らかな異常はなく、骨折もないためX線で描出される所見はみられない。診断は「手を引っ張られた」という病歴と、前腕回外制限・上肢下垂の臨床症状から行う。前腕を回外しながら肘を屈曲する徒手整復でクリック音が触知されれば整復成功であり、診断の確認にもなる。
ポイント
  • 肘内障では単純X線像で異常を認めないため、臨床症状と病歴(手を引っ張られた)から診断する
  • 肘の腫脹がある場合は骨折や肘関節脱臼を疑い、肘内障とは鑑別する必要がある
  • 外反動揺性は内側側副靱帯損傷の所見であり、肘内障の所見ではない
  • 重要用語: 肘内障, 単純X線異常なし, 橈骨頭亜脱臼, 輪状靱帯, 回外制限 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肘内障 肘関節脱臼 上腕骨外顆骨折
好発年齢 2〜5歳の小児 全年齢 小児に多い
病態 橈骨頭の輪状靱帯からの亜脱臼 腕尺関節の完全脱臼 骨折
腫脹 なし 著明にあり あり
X線所見 異常なし 脱臼像を認める 骨折線を認める
整復 回外・屈曲操作で容易 全身麻酔下のこともある 手術適応あり
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題50|肘内障について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題50|肘内障について正しいのはどれか。
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