学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0837

理由で解く 臨床医学各論

Q0837 整形外科疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題77
問題
「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」まず、考えるべき病態はどれか。
選択肢
1 捻挫
2 脱臼
3 疲労骨折
4 外傷性骨折
解答
正解4(外傷性骨折)
解説
✗ 1. 誤り
捻挫
捻挫は関節部の靭帯や関節包の軽度損傷であり、骨・軟骨の損傷は通常伴わない。肘をついて転倒した際に急速に腫脹が増強する経過は、単なる捻挫よりも骨折を示唆する所見である。
✗ 2. 誤り
脱臼
脱臼は関節面が正常な可動域を超えて接触を失った状態であり、弾発性固定や関節窩の空虚感が特徴的である。本症例の記述からは脱臼よりも骨折を考えるべきであるが、骨折に脱臼が合併する場合もありうる。
✗ 3. 誤り
疲労骨折
疲労骨折は骨の同一部位に通常では骨折を起こさない程度の軽度の外力が繰り返し加わることで生じるものである。転倒による一回の急性外傷で生じる骨折とは発生機序が異なる。
✓ 4. 正しい
外傷性骨折
外傷性骨折は正常な骨にその強度を超える外力が一回加わって起こる骨折である。8歳男子がサッカー中に転倒し肘をつき、直後から疼痛・運動障害・急速な腫脹増強がみられることから、外傷性骨折(皮下骨折)が最も考えられる。皮膚外傷がないため開放骨折ではなく皮下骨折(単純骨折)である。小児が肘をついて転倒した場合、上腕骨顆上骨折が好発する。
ポイント
  • 急性の外力(転倒)で受傷し、直後からの疼痛・運動障害・急速な腫脹増強は外傷性骨折を最も強く疑う所見である
  • 疲労骨折は反復する軽度の外力で生じ、外傷性骨折とは発生機序が異なる
  • 皮膚外傷がなければ皮下骨折(単純骨折)、外界と交通すれば開放骨折(複雑骨折)と分類される
  • 重要用語: 外傷性骨折, 疲労骨折, 皮下骨折(単純骨折) を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 定義 特徴
外傷性骨折 正常骨に強い外力が加わり発生 一回の外力で生じる
疲労骨折 軽度の外力が繰り返し作用 反復運動で生じる
病的骨折 腫瘍・代謝疾患等で脆弱化した骨に発生 軽微な外力で生じる
皮下骨折(単純骨折) 骨折部が外界と交通しない 皮膚損傷なし
開放骨折(複雑骨折) 骨折部が外界と交通する 感染リスク高い
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題77|「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」まず、考えるべき病態はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題77|「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」まず、考えるべき病態はどれか。
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