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理由で解く 臨床医学各論

Q0838 整形外科疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題78
問題
「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」発育期に転倒により起こりやすい骨折はどれか。
選択肢
1 上腕骨近位端骨折
2 上腕骨顆上骨折
3 肘頭骨折
4 コーレス骨折
解答
正解2(上腕骨顆上骨折)
解説
✗ 1. 誤り
上腕骨近位端骨折
上腕骨近位端骨折は骨粗鬆症を基盤に高齢者の転倒で生じやすい骨折であり、高齢者の四大骨折の一つである。小児の肘をついての転倒では近位端骨折は稀であり、顆上骨折のほうが圧倒的に頻度が高い。
✓ 2. 正しい
上腕骨顆上骨折
上腕骨顆上骨折は発育期の小児が転倒して肘をついた場合に最も起こりやすい骨折であり、小児の肘周囲骨折として最も頻度が高い。小児の上腕骨遠位端は骨端線が存在し脆弱であるため、転倒時の衝撃で顆上部に骨折を生じやすい。合併症としてフォルクマン拘縮(前腕の阻血性拘縮)に注意が必要で、上腕動脈や正中神経・前骨間神経の損傷を伴うことがある。
✗ 3. 誤り
肘頭骨折
肘頭骨折は肘頭部への直達外力(直接肘を打つ)で生じることが多い。小児の転倒で肘をつく介達外力では、肘頭骨折よりも顆上骨折の頻度が高い。
✗ 4. 誤り
コーレス骨折
コーレス骨折は橈骨遠位端の骨折であり、転倒時に手をついて受傷する。成人や骨粗鬆症のある高齢者に多く、発育期の小児で肘をついた受傷機転では上腕骨顆上骨折を考える。
ポイント
  • 発育期の小児が肘をついて転倒した場合には上腕骨顆上骨折が最も好発する
  • 合併症としてフォルクマン拘縮(前腕の阻血性拘縮)や上腕動脈・正中神経・前骨間神経損傷に注意が必要である
  • コーレス骨折は成人・高齢者の手をついた転倒で生じ、上腕骨近位端骨折は高齢者に多い
  • 重要用語: 上腕骨顆上骨折, フォルクマン拘縮, 前骨間神経損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
骨折名 好発年齢 受傷機転 特徴
上腕骨顆上骨折 小児 肘をついて転倒 フォルクマン拘縮に注意
コーレス骨折 成人・高齢者 手をついて転倒 橈骨遠位端骨折
上腕骨近位端骨折 高齢者 転倒・肩打撲 骨粗鬆症が基盤
肘頭骨折 成人 直達外力 直接肘を打撲
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題78|「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」発育期に転倒により起こりやすい骨折はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題78|「8歳の男子。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。」発育期に転倒により起こりやすい骨折はどれか。
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