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理由で解く 臨床医学各論

Q0829 整形外科疾患

出典:あマ指 第9回(2001) 問題96
問題
陸上長距離選手が肉離れを起こしやすい筋はどれか。
選択肢
1 ハムストリングス
2 大腿四頭筋
3 下腿三頭筋
4 腹直筋
解答
正解3(下腿三頭筋)
解説
✗ 1. 誤り
ハムストリングス
ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)の肉離れは短距離走やダッシュ動作における急激な筋収縮で起こりやすく、短距離選手に多い。スタートダッシュや全力疾走時に大腿後面の筋が急激に伸張されながら収縮する際に受傷する。肉離れ全体では最も好発する筋の一つである。
✗ 2. 誤り
大腿四頭筋
大腿四頭筋の肉離れはキック動作やジャンプ動作における急激な収縮で起こりやすく、サッカーやバレーボールなどの競技で多い。特に大腿直筋は二関節筋であるため、股関節伸展と膝関節屈曲が同時に加わるダッシュ動作で受傷しやすい。
✓ 3. 正しい
下腿三頭筋
陸上長距離選手では下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の肉離れが起こりやすい。長距離走では繰り返しの蹴り出し動作により下腿三頭筋に疲労が蓄積し、特に腓腹筋内側頭の筋腱移行部で損傷を起こしやすくなる。中高年のテニスプレーヤーに発生する「テニスレッグ」も同じ部位の肉離れである。
✗ 4. 誤り
腹直筋
腹直筋の肉離れは投擲競技(砲丸投げ、やり投げなど)や体操競技で体幹の急激な屈曲・回旋時に起こることがあるが、陸上長距離選手に特徴的な受傷部位ではない。腹直筋は走行動作における負荷が比較的少ない筋である。
ポイント
  • 長距離選手は下腿三頭筋(蹴り出し動作の反復による疲労蓄積)、短距離選手はハムストリングス(急激な加速時の遠心性収縮)に肉離れが好発する
  • 肉離れは筋肉が急激に伸張されながら収縮する遠心性収縮時に起こりやすい
  • 腓腹筋内側頭の筋腱移行部が最も損傷されやすく、テニスレッグとも呼ばれる
  • 重要用語: 下腿三頭筋、ハムストリングス、肉離れ を正確に理解しておくこと。
比較表
競技種目 肉離れの好発筋 受傷機序
長距離走 下腿三頭筋(腓腹筋) 反復する蹴り出しによる疲労蓄積
短距離走 ハムストリングス 急激なダッシュ時の遠心性収縮
サッカー・バレー 大腿四頭筋 キック・ジャンプ動作
テニス(中高年) 下腿三頭筋(テニスレッグ) 急な方向転換・踏み込み
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題96|陸上長距離選手が肉離れを起こしやすい筋はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題96|陸上長距離選手が肉離れを起こしやすい筋はどれか。
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