学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0828

理由で解く 臨床医学各論

Q0828 整形外科疾患

出典:あマ指 第9回(2001) 問題87
問題
外傷性脱臼で誤っているのはどれか。
選択肢
1 特有な異常肢位
2 関節包内脱臼
3 ばね様固定
4 関節の疼痛
解答
正解2(関節包内脱臼)
解説
✗ 1.
特有な異常肢位
✗ 正しい。外傷性脱臼では脱臼した骨頭の位置により特有の異常肢位をとる。肩関節前方脱臼(最も頻度が高く全脱臼の約95%)では上肢が軽度外転・外旋位をとり、股関節後方脱臼では患肢が屈曲・内転・内旋位を呈する。異常肢位は脱臼の方向を推定する重要な臨床所見である。
✓ 2. 誤り
関節包内脱臼
外傷性脱臼は関節包が破れて関節端が関節包の外に脱出する「関節包外脱臼」であり、「関節包内脱臼」ではない。関節包の破裂を伴うことが外傷性脱臼の本態であり、これが骨折(関節包の破裂を伴わない)との根本的な違いである。
✗ 3.
ばね様固定
✗ 正しい。弾発性固定(ばね様固定)は外傷性脱臼の特徴的所見である。他動的に関節を動かそうとするとばね様の弾力的抵抗があり、力を抜くと元の異常位置に戻る。周囲の筋の反射性痙縮によって生じ、脱臼に特異的であるため骨折との鑑別に最も有用な所見である。
✗ 4.
関節の疼痛
✗ 正しい。脱臼により関節包・靱帯・周囲軟部組織が損傷され、激しい疼痛が生じる。疼痛は脱臼の三主徴(疼痛・変形・弾発性固定)の一つであり、自動運動は疼痛のため不能となる。肩関節脱臼では腋窩神経損傷を合併することがあり注意が必要である。
ポイント
  • 外傷性脱臼は関節包破裂を伴う関節包外脱臼であり、関節包内脱臼ではない
  • 弾発性固定・異常肢位・疼痛は脱臼の重要な診断所見である
  • 肩関節前方脱臼が最も頻度が高く(約95%)、腋窩神経損傷の合併に注意する
  • 重要用語: 関節包外脱臼、弾発性固定、異常肢位 を正確に理解しておくこと。
比較表
脱臼の所見 内容 臨床的意義
異常肢位 骨頭転位に応じた特有の肢位 脱臼方向の推定
弾発性固定 ばね様の弾力的抵抗 骨折との鑑別(脱臼に特異的)
疼痛 関節包・靱帯損傷による激痛 三主徴の一つ
変形 関節部の肉眼的変形 三主徴の一つ
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題87|外傷性脱臼で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題87|外傷性脱臼で誤っているのはどれか。
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