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理由で解く 臨床医学各論

Q0826 整形外科疾患

出典:あマ指 第8回(2000) 問題88
問題
高齢者の大腿骨頸部骨折の骨癒合が起こりにくい理由はどれか。
選択肢
1 骨修復能が低下している。
2 関節包外骨折である。
3 骨折の中枢側が充血状態となる。
4 骨折片間に圧迫力がかかる。
解答
正解1(骨修復能が低下している。)
解説
✓ 1. 誤り
骨修復能が低下している。
高齢者では加齢に伴い骨芽細胞の機能が低下し、骨修復能(骨形成能力)が著しく低下している。さらに骨粗鬆症による骨量減少も相まって骨癒合が起こりにくく、偽関節や遷延治癒のリスクが高い。高齢者の骨折が難治性となる最も根本的な理由である。
✗ 2.
関節包外骨折である。
✗ 正しい。大腿骨頸部骨折(特に内側骨折)は関節包外骨折ではなく関節包内骨折である。関節包内に位置するため骨膜が存在せず血流が極めて不良であり、これが骨癒合困難のもう一つの重要な理由である。関節包外骨折であれば血流は保たれ癒合は比較的良好となる。
✗ 3.
骨折の中枢側が充血状態となる。
✗ 正しい。骨折の中枢側(骨頭側)は充血状態ではなく虚血状態となる。骨折により大腿骨頭を栄養する血管(内側大腿回旋動脈の上行枝など)が断裂し、骨頭への血流が途絶するため大腿骨頭壊死(無腐性壊死)のリスクが高くなる。
✗ 4.
骨折片間に圧迫力がかかる。
✗ 正しい。骨折片間には圧迫力ではなくせん断力がかかる。大腿骨頸部は体重支持時に骨折線に対してせん断力を受けやすい力学的構造であり、骨折片のずれ(転位)が生じやすいため骨癒合を妨げる要因となる。
ポイント
  • 高齢者の骨修復能低下は骨粗鬆症と相まって大腿骨頸部骨折の難治性の主因となる
  • 内側骨折は関節包内骨折であり、骨膜欠如・血流不良・せん断力がすべて癒合不良に寄与する
  • 骨頭側は虚血状態となり大腿骨頭壊死のリスクが高いため、人工骨頭置換術が適応となる
  • 重要用語: 骨修復能低下、関節包内骨折、骨頭壊死 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題88|高齢者の大腿骨頸部骨折の骨癒合が起こりにくい理由はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題88|高齢者の大腿骨頸部骨折の骨癒合が起こりにくい理由はどれか。
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