学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0808

理由で解く 臨床医学各論

Q0808 整形外科疾患

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題81
問題
小児の上腕骨顆上骨折について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 肘を伸ばして転倒したときに起こる。
2 筋皮神経が損傷されやすい。
3 上腕末端部に強い自発痛が生じる。
4 フォルクマン拘縮の予防が必要である。
解答
正解2(筋皮神経が損傷されやすい。)
解説
✗ 1.
肘を伸ばして転倒したときに起こる。
✗ 正しい。上腕骨顆上骨折は小児が肘を伸ばした状態で手をついて転倒した際に好発する(伸展型骨折)。 小児の肘関節周囲骨折の中で最も頻度が高く、5〜10歳に多い。伸展位で手をついた際に上腕骨遠位部に過伸展力が加わることで発生する。
✓ 2. 誤り
筋皮神経が損傷されやすい。
上腕骨顆上骨折で損傷されやすい神経は正中神経および橈骨神経であり、筋皮神経ではない。 また上腕動脈が骨折端で損傷・圧迫されることがあり、これが前腕の阻血性壊死(フォルクマン拘縮)の原因となる。筋皮神経は上腕二頭筋・上腕筋を支配する神経であるが、顆上骨折での損傷頻度は低い。
✗ 3.
上腕末端部に強い自発痛が生じる。
✗ 正しい。骨折部位である上腕骨遠位端(肘関節上部)に強い自発痛が生じ、著しい腫脹を伴う。 肘関節の変形や異常可動性がみられることもあり、骨折部の疼痛と腫脹は受傷直後から顕著に出現する。
✗ 4.
フォルクマン拘縮の予防が必要である。
✗ 正しい。フォルクマン拘縮(前腕屈筋群の阻血性拘縮)は上腕骨顆上骨折の最も重要な合併症である。 上腕動脈の損傷や腫脹による前腕コンパートメント内圧上昇が原因で、5Pの徴候(Pain:疼痛、Pallor:蒼白、Pulselessness:脈拍消失、Paresthesia:知覚障害、Paralysis:運動麻痺)の早期発見と予防が極めて重要である。
ポイント
  • 上腕骨顆上骨折で損傷されやすいのは正中神経・橈骨神経・上腕動脈であり、筋皮神経ではない
  • 最も重要な合併症はフォルクマン拘縮(前腕屈筋群の阻血性壊死)であり、不可逆的変化のため早期発見が必須である
  • 5P徴候(Pain, Pallor, Pulselessness, Paresthesia, Paralysis)を見逃さないことが予防の鍵となる
  • 重要用語: 上腕骨顆上骨折・フォルクマン拘縮・正中神経・上腕動脈・5P徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
合併症 損傷される構造 症状・徴候
神経損傷 正中神経・橈骨神経 知覚障害・運動麻痺
血管損傷 上腕動脈 阻血症状(5P徴候)
フォルクマン拘縮 前腕屈筋群(阻血性壊死) 手指の屈曲拘縮・伸展不能
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題81|小児の上腕骨顆上骨折について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題81|小児の上腕骨顆上骨折について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手