学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ G. 脊髄損傷 / Q0799

理由で解く 臨床医学各論

Q0799 整形外科疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題77
問題
「65歳の男性。3週間前に転倒し、前頭部を強打した。その時以後両上肢のしびれ感と歩行困難が出現している。」最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 頸椎骨折
2 頸髄中心性損傷
3 頸髄腫瘍
4 腕神経叢障害
解答
正解2(頸髄中心性損傷)
解説
✗ 1. 誤り
頸椎骨折
頸椎骨折であればX線やCTで明確な骨折所見が認められるが、頸髄中心性損傷は非骨傷性脊髄損傷として骨折を伴わずに生じうる。前頭部の強打で頸椎が過伸展された場合の典型的な損傷は中心性損傷である。
✓ 2. 正しい
頸髄中心性損傷
頸髄中心性損傷は高齢者が転倒して前頭部を強打した際に、頸椎の過伸展により脊髄中心部が損傷される病態である。脊髄中心部の灰白質(前角細胞)や脊髄視床路が障害されるため、上肢優位の運動障害としびれが出現するのが特徴的である。高齢者では既存の頸椎症や脊柱管狭窄があると、軽微な外傷でも中心性損傷を生じやすい。骨折を伴わない非骨傷性脊髄損傷の代表例である。
✗ 3. 誤り
頸髄腫瘍
頸髄腫瘍は徐々に進行する疾患であり、転倒直後から急性に症状が出現する経過とは合致しない。腫瘍であれば数週〜数ヵ月かけて緩徐に進行するのが一般的である。
✗ 4. 誤り
腕神経叢障害
腕神経叢障害では上肢の症状のみで歩行困難は通常みられない。また、両側同時に腕神経叢が障害されることは極めて稀であり、本症例の経過とは合致しない。
ポイント
  • 高齢者の転倒で前頭部を強打し頸椎過伸展が起こると、頸髄中心性損傷を生じうる
  • 上肢優位の運動障害・しびれが特徴的であり、非骨傷性脊髄損傷の代表例である
  • 既存の頸椎症や脊柱管狭窄がある高齢者では軽微な外傷でも発症しうる
  • 重要用語: 頸髄中心性損傷, 非骨傷性脊髄損傷, 上肢優位の麻痺 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題77|「65歳の男性。3週間前に転倒し、前頭部を強打した。その時以後両上肢のしびれ感と歩行困難が出現している。」最も考えられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題77|「65歳の男性。3週間前に転倒し、前頭部を強打した。その時以後両上肢のしびれ感と歩行困難が出現している。」最も考えられるのはどれか。
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