学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ G. 脊髄損傷 / Q0795

理由で解く 臨床医学各論

Q0795 整形外科疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題68
問題
頚髄損傷について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 上位頚髄損傷では呼吸障害がある。
2 下位頚髄損傷では排尿は正常である。
3 麻痺性イレウスを合併する。
4 体温調節の障害がある。
解答
正解2(下位頚髄損傷では排尿は正常である。)
解説
✗ 1.
上位頚髄損傷では呼吸障害がある。
✗ 正しい。上位頚髄損傷では呼吸障害が生じるとする記述は正しい。横隔神経はC3〜C5レベルから起始しており、上位頚髄損傷でこれらの神経が障害されると横隔膜麻痺をきたし、自発呼吸が困難となる。人工呼吸器が必要となることがある。
✓ 2. 誤り
下位頚髄損傷では排尿は正常である。
下位頚髄損傷でも排尿は正常ではない。排尿中枢は仙髄(S2〜S4)に位置するが、上位ニューロンである頚髄が損傷されると、排尿中枢への抑制性の調節が障害され、神経因性膀胱(痙性膀胱:上位運動ニューロン型)をきたす。自律性排尿は生じるが随意的な排尿制御ができなくなるため、排尿障害が出現する。
✗ 3.
麻痺性イレウスを合併する。
✗ 正しい。頚髄損傷では麻痺性イレウスを合併するとする記述は正しい。脊髄損傷の急性期には脊髄ショックにより損傷レベル以下の自律神経機能が障害され、腸管蠕動が低下して麻痺性イレウスを合併する。麻痺性イレウスの原因として全身疾患による腸管蠕動低下。
✗ 4.
体温調節の障害がある。
✗ 正しい。頚髄損傷では体温調節障害があるとする記述は正しい。損傷レベル以下の発汗機能や皮膚血管の調節が障害されるため、体温調節が困難となる。環境温に影響されやすくなり(変温動物化)、高温環境でうつ熱、低温環境で低体温をきたしやすい。
ポイント
  • 頚髄損傷では上位・下位を問わず排尿障害が生じる(排尿中枢S2-4への上位ニューロン障害)
  • 脊髄損傷に合併する自律神経障害:麻痺性イレウス、起立性低血圧、体温調節障害、排尿・排便障害
  • 上位頚髄損傷(C3-5以上)では横隔神経が障害され、人工呼吸器が必要となることがある
  • 脊髄ショック期には損傷レベル以下のすべての反射が消失し、弛緩性麻痺・自律神経機能障害を呈する
  • 重要用語: 頚髄損傷、排尿障害、神経因性膀胱、麻痺性イレウス、体温調節障害 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題68|頚髄損傷について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題68|頚髄損傷について誤っている記述はどれか。
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