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理由で解く 臨床医学各論

Q1162 神経疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題69
問題
重症筋無力症について正しい記述はどれか。
選択肢
1 筋の易疲労性を呈する。
2 男性に多い。
3 血清クレアチンキナーゼが上昇する。
4 遺伝性疾患である。
解答
正解1(筋の易疲労性を呈する。)
解説
✓ 1. 正しい
筋の易疲労性を呈する。
重症筋無力症では筋の易疲労性を呈する。反復運動により筋力低下が増悪し、休息により改善する。短時間に繰り返し同一動作をすると易疲労性が明らかになる。日内変動(夕方に増悪)も特徴的。
✗ 2. 誤り
男性に多い。
重症筋無力症は女性に多い疾患である。男女比は1:2で女性優位であり、若年発症(20〜30代)では特に女性に多い。 高齢発症では男性にもみられるが、全体としては女性優位の自己免疫疾患である。
✗ 3. 誤り
血清クレアチンキナーゼが上昇する。
血清クレアチンキナーゼ(CK)は筋自体の破壊がないため通常正常値を示す。 重症筋無力症は神経筋接合部の後シナプス膜における伝達障害であり、筋線維自体は壊死しないためCKは上昇しない。筋ジストロフィーでは筋壊死によりCKが著明に上昇する点と対比して覚える。
✗ 4. 誤り
遺伝性疾患である。
重症筋無力症は自己免疫疾患であり、遺伝性疾患ではない。 アセチルコリン受容体に対する自己抗体(抗AChR抗体)が産生され、神経筋伝達が障害される。胸腺異常(胸腺腫・胸腺過形成)が約半数に合併する。
ポイント
  • 重症筋無力症では筋の易疲労性が最大の特徴であり、反復運動で増悪、休息で改善する
  • 日内変動(夕方増悪・朝方軽快)を示し、眼瞼下垂・複視が初発症状として多い
  • 女性に多く、血清CKは正常、抗AChR抗体陽性の自己免疫疾患であり遺伝性ではない
  • 重要用語: 易疲労性, 日内変動, 抗AChR抗体, 胸腺異常 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 重症筋無力症 デュシェンヌ型筋ジストロフィー
病態 神経筋接合部の自己免疫疾患 筋線維の変性・壊死(遺伝性)
性差 女性に多い(男女比 1:2) 男児のみ(X連鎖劣性遺伝)
血清CK 正常 著明上昇(10倍以上)
易疲労性 あり(夕方増悪) なし(進行性筋力低下)
治療 抗コリンエステラーゼ薬・胸腺摘出 根本的治療なし
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題69|重症筋無力症について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題69|重症筋無力症について正しい記述はどれか。
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