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理由で解く 臨床医学各論

Q0785 整形外科疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題63
問題
頸部後縦靭帯骨化症について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 50 歳以上に多い。
2 原因はカルシウムの過剰摂取である。
3 進行性の痙性四肢麻痺を起こす。
4 転倒予防のための生活指導を行う。
解答
正解2(原因はカルシウムの過剰摂取である。)
解説
✗ 1.
50 歳以上に多い。
✗ 正しい。後縦靭帯骨化症(OPLL)は50歳以上の中高年に好発する疾患である。50代の男性に特に多く、頸椎部の発生は男性に、胸椎部の発生は女性に多いとされている。日本を含む東アジアに多い疾患である。
✓ 2. 誤り
原因はカルシウムの過剰摂取である。
後縦靭帯骨化症の原因はカルシウムの過剰摂取ではない。本症の原因は不明であり、遺伝的素因や代謝異常など全身的因子が関与する多因子疾患である。耐糖能異常やカルシウム代謝異常との関連が指摘され、家族集積性が高いことから遺伝子レベルでの解析が進められているが、カルシウムの過剰摂取が原因とする根拠はない。カルシウム代謝異常は関連因子の一つであり、過剰摂取とは全く異なる概念である。
✗ 3.
進行性の痙性四肢麻痺を起こす。
✗ 正しい。後縦靭帯骨化症では骨化が進行して脊柱管が狭窄し脊髄を圧迫すると、頸髄症として進行性の痙性四肢麻痺を呈する。上位運動ニューロン障害であるため痙性(筋緊張亢進)を伴い、深部腱反射の亢進や病的反射(バビンスキー徴候など)を認める。
✗ 4.
転倒予防のための生活指導を行う。
✗ 正しい。後縦靭帯骨化症の患者は軽微な外傷(転倒や追突事故など)で急激に脊髄症状が悪化することがあるため、転倒予防のための生活指導は極めて重要である。頸部の過伸展を避け、激しい運動や負担を回避するよう教育する。
ポイント
  • 後縦靭帯骨化症(OPLL)の原因は不明であり、カルシウムの過剰摂取が原因ではない
  • 50代男性に好発し、頸椎に多い疾患で、脊柱管狭窄から進行性の痙性四肢麻痺を呈する
  • 軽微な外傷で急激に症状が悪化するため、転倒予防の生活指導が極めて重要である
  • 重要用語: 後縦靭帯骨化症(OPLL)、脊柱管狭窄 を正確に理解しておくこと。
比較表
後縦靭帯骨化症(OPLL)の特徴 内容
好発年齢・性別 50代男性に多い
好発部位 頸椎に最も多い
原因 不明(遺伝的素因・代謝異常が関与)
主な症状 進行性の痙性四肢麻痺、深部腱反射亢進
生活指導 転倒予防・頸部過伸展の回避
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題63|頸部後縦靭帯骨化症について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題63|頸部後縦靭帯骨化症について誤っている記述はどれか。
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