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理由で解く 臨床医学各論

Q0786 整形外科疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題85
問題
「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」最も陽性になりやすいのはどれか。
選択肢
1 ペインフルアークサイン
2 スパーリングテスト
3 トムゼンテスト
4 ファレンテスト
解答
正解2(スパーリングテスト)
解説
✗ 1. 誤り
ペインフルアークサイン
ペインフルアークサイン(有痛弧徴候)は肩関節のインピンジメント症候群や腱板損傷の検査法であり、肩関節外転60〜120度の範囲で疼痛が出現するものを陽性とする。 棘上筋腱が肩峰下で圧迫される病態を評価する検査であり、頸椎神経根症による上肢の放散痛やしびれの評価には用いられない。
✓ 2. 正しい
スパーリングテスト
スパーリングテストは頸椎神経根症の代表的な検査法であり、本症例で最も陽性になりやすい。 座位で頭部を患側に倒して頸部を過伸展し、上から軸方向に押し下げる椎間孔圧迫検査である。患側上肢に痛みやしびれが放散すれば陽性とする。本症例の右肩甲部・右上腕外側の痛み、右前腕橈側〜右手橈側のしびれはC5〜C6神経根の支配領域に一致しており、変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアが疑われる。
✗ 3. 誤り
トムゼンテスト
トムゼン(トムセン)テストは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の検査法である。 手関節背屈に対して抵抗を加え、肘外側(外側上顆部)に疼痛が誘発されれば陽性とする。肘の局所的な腱付着部炎の検査であり、頸椎神経根症の評価には用いない。
✗ 4. 誤り
ファレンテスト
ファレン(ファーレン)テストは手根管症候群の検査法であり、手関節を最大掌屈位で1分間保持して正中神経領域のしびれの再現を確認する。 手根管症候群では母指〜環指橈側のしびれを認めるが、本症例のような肩甲部の痛みは伴わず、病態が異なる。
ポイント
  • 肩甲部・上腕外側の痛みと前腕橈側〜手橈側のしびれはC5〜C6神経根症のデルマトーム分布に合致する
  • スパーリングテストとジャクソンテストはいずれも頸椎神経根症の検査法であり、椎間孔圧迫により症状を再現する
  • 各検査法と対象疾患の対応を正確に覚えておく(トムゼン=テニス肘、ファレン=手根管症候群)
  • 重要用語: スパーリングテスト, 頸椎神経根症, C5-C6, デルマトーム を正確に理解しておくこと。
比較表
検査法 対象疾患 手技の概要
スパーリングテスト 頸椎神経根症 頭部を患側へ側屈・後屈し軸圧を加える
ジャクソンテスト 頸椎神経根症 頭部を後屈し軸圧を加える
ペインフルアークサイン 腱板損傷・インピンジメント 肩外転60〜120度で疼痛を確認
トムゼンテスト テニス肘 手関節背屈に抵抗を加える
ファレンテスト 手根管症候群 手関節最大掌屈を1分間保持
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題85|「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」最も陽性になりやすいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題85|「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」最も陽性になりやすいのはどれか。
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