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理由で解く 臨床医学各論

Q0787 整形外科疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題86
問題
「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」装具療法を行う場合に最も適切なのはどれか。
選択肢
1 頸椎装具
2 肩関節外転装具
3 テニス肘バンド
4 手関節背屈装具
解答
正解1(頸椎装具)
解説
✓ 1. 正しい
頸椎装具
頸椎神経根症が疑われる本症例では頸椎装具(頸椎カラー)が最も適切な装具療法である。 頸椎装具は頸椎の運動を制限し、椎間孔の狭窄を防いで神経根への圧迫を軽減する効果がある。変形性頸椎症の保存的治療として頸椎カラーの装着、薬物療法(NSAIDs等)、牽引療法、温熱療法が行われる。頸椎の安静保持により炎症の沈静化と症状の緩和が期待できる。
✗ 2. 誤り
肩関節外転装具
肩関節外転装具は腋窩神経損傷、腱板断裂の術後、肩関節周囲の手術後のリハビリテーションに用いるものである。 肩関節を外転位に保持して組織の修復を促す装具であり、頸椎神経根症に対する装具としては適応がない。
✗ 3. 誤り
テニス肘バンド
テニス肘バンド(エルボーバンド)は上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対する装具であり、前腕近位部に装着して前腕伸筋群への負荷を分散・軽減する。 テニス肘の症状は肘外側の局所痛であり、頸椎神経根症とは病態が根本的に異なる。
✗ 4. 誤り
手関節背屈装具
手関節背屈装具(コックアップスプリント)は橈骨神経麻痺による下垂手に対して手関節を機能肢位(軽度背屈位)に保持するために用いるものである。 本症例はC5〜C6神経根症であり、橈骨神経の末梢性麻痺による下垂手ではないため適応がない。
ポイント
  • 頸椎神経根症の保存的治療では頸椎装具(頸椎カラー)による頸椎の安静が最も基本的な装具療法である
  • 装具の選択は「原因病巣の部位」に応じて行う。症状が上肢に出ていても原因が頸椎にあれば頸椎装具が正解となる
  • コックアップスプリント(下垂手)やテニス肘バンドなど、各装具の適応疾患を正確に区別しておく
  • 重要用語: 頸椎装具, 頸椎カラー, 頸椎神経根症, コックアップスプリント を正確に理解しておくこと。
比較表
装具 対象疾患 装着部位・目的
頸椎装具(頸椎カラー) 頸椎神経根症・頸椎損傷 頸部に装着し頸椎の安静保持
肩関節外転装具 腱板断裂術後・腋窩神経損傷 肩関節を外転位に保持
テニス肘バンド 上腕骨外側上顆炎 前腕近位部に装着し伸筋群の負荷軽減
コックアップスプリント 橈骨神経麻痺(下垂手) 手関節を背屈位に保持
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題86|「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」装具療法を行う場合に最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題86|「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」装具療法を行う場合に最も適切なのはどれか。
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