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理由で解く 臨床医学各論

Q0637 整形外科疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題64
問題
肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。
選択肢
1 70 歳代に好発する。
2 早期に肩関節の可動域制限を認める。
3 回旋運動を伴う動作で痛みが増強する。
4 ペインフルアークサインがあれば腱板損傷を疑う。
解答
正解1(70 歳代に好発する。)
解説
✓ 1. 誤り
70 歳代に好発する。
肩関節周囲炎(五十肩)は50代を中心に40代後半から60代前半に好発する疾患であり、70歳代が好発年齢というのは誤りである。50代を中心として40代後半から60代前半にかけて発来する。「五十肩」という名称自体が50歳前後に好発することに由来しており、70歳代はピークを過ぎた年齢層である。
✗ 2.
早期に肩関節の可動域制限を認める。
✗ 正しい。肩関節周囲炎では発症の比較的早期の段階から関節包の拘縮により可動域制限を認める。発症の比較的早期の段階においても拘縮を認める。逆に、疼痛があるのに拘縮(可動域制限)がない場合には腱板断裂や上腕二頭筋長頭腱障害など他疾患を示唆する重要な鑑別ポイントとなる。
✗ 3.
回旋運動を伴う動作で痛みが増強する。
✗ 正しい。肩関節の回旋運動を伴う動作で痛みが増強するのは五十肩の典型的な症状である。具体的には、結帯動作(手を背中に回す=外転+内旋)や結髪動作(手を頭の後ろに回す=外転+外旋)が困難となり、日常生活で「エプロンの紐が結べない」「髪を洗えない」といった訴えがみられる。
✗ 4.
ペインフルアークサインがあれば腱板損傷を疑う。
✗ 正しい。ペインフルアークサイン(有痛弧徴候)は上肢を挙上する際に外転60〜120度の範囲で疼痛を感じる徴候であり、腱板断裂(損傷)の代表的な所見である。この徴候が陽性の場合には『五十肩』といっても、腱板断裂の要素が強い症例と考えるべきである。五十肩と腱板断裂の鑑別に重要な検査法である。
ポイント
  • 五十肩の好発年齢は50代(40代後半〜60代前半)であり、70歳代ではない。「五十肩」の名称自体が好発年齢を示している
  • 早期からの可動域制限(拘縮)が特徴であり、拘縮がなければ腱板断裂など他の疾患を疑う
  • 結帯動作・結髪動作の制限は回旋運動障害を反映した五十肩の典型的な日常生活上の障害である
  • ペインフルアークサイン(外転60〜120度での疼痛)は腱板断裂を示唆する重要な所見であり、五十肩との鑑別に用いる
  • 重要用語: 五十肩の好発年齢, 結帯・結髪動作制限, ペインフルアークサイン を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別点 肩関節周囲炎(五十肩) 腱板断裂
好発年齢 40〜60代 50代以降
可動域制限 早期から著明 自動運動↓、他動運動は保たれる
ペインフルアーク 通常陰性 陽性
ドロップアームサイン 陰性 陽性
予後 自然治癒傾向あり 自然治癒しにくい
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題64|肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題64|肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。
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