学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0767

理由で解く 臨床医学各論

Q0767 整形外科疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題63
問題
脊椎・脊髄疾患と身体所見の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 脊髄ショック ― 痙性麻痺
2 頚椎捻挫 ― バレー・リュー症状
3 L3-L4椎間板ヘルニア ― アキレス腱反射の低下
4 腰部脊柱管狭窄症 ― 鶏歩
解答
正解2(頸椎捻挫―バレー・リュー症状)
解説
✗ 1. 誤り
脊髄ショック ― 痙性麻痺
脊髄ショック(spinal shock)期には弛緩性麻痺(flaccid paralysis)がみられ、痙性麻痺ではない。脊髄損傷直後の急性期(数日〜数週間)では損傷部以下の筋緊張低下・深部腱反射消失・弛緩性麻痺を呈する。痙性麻痺はショック離脱後(数週〜数か月後)の慢性期に出現する所見であり、この組み合わせは時期が異なる。
✓ 2. 正しい
頚椎捻挫 ― バレー・リュー症状
頸椎捻挫(むち打ち症、whiplash injury)ではバレー・リュー症状(Barre-Lieou症候群)がみられることがある。バレー・リュー症状は頭痛・めまい・耳鳴り・視力障害・悪心・倦怠感などの自律神経症状の総称であり、頸部交感神経の刺激・損傷により生じると考えられている。交通事故などによる頸椎の過伸展・過屈曲損傷後に出現する。
✗ 3. 誤り
L3-L4椎間板ヘルニア ― アキレス腱反射の低下
L3-L4椎間板ヘルニアではL4神経根が障害され、膝蓋腱反射(PTR、L3-4支配)の低下がみられる。アキレス腱反射(ATR)はS1神経根支配であり、L3-L4ヘルニアでは低下しない。アキレス腱反射の低下はL5-S1間のヘルニア(S1神経根障害)で出現する所見である。
✗ 4. 誤り
腰部脊柱管狭窄症 ― 鶏歩
腰部脊柱管狭窄症では神経性間欠跛行が特徴的症状であり、鶏歩(steppage gait)ではない。鶏歩は腓骨神経麻痺による下垂足の代償歩行で、膝を高く挙げてつま先から接地する異常歩行である。間欠跛行は歩行により下肢痛・しびれが出現し休息で改善する症状であり、歩行パターン自体の異常ではない。
ポイント
  • 頸椎捻挫(むち打ち症)ではバレー・リュー症状(頭痛・めまい・耳鳴りなどの自律神経症状)が出現する
  • 脊髄ショック期は弛緩性麻痺(痙性麻痺はショック離脱後)、L3-L4ヘルニアでは膝蓋腱反射低下(アキレス腱反射ではない)
  • 腰部脊柱管狭窄症の特徴は神経性間欠跛行であり、鶏歩は腓骨神経麻痺の所見である
  • 重要用語: バレー・リュー症状, 脊髄ショック, 弛緩性麻痺, 神経性間欠跛行 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 正しい身体所見 誤った組み合わせの所見
脊髄ショック 弛緩性麻痺(急性期) 痙性麻痺(慢性期の所見)
頸椎捻挫 バレー・リュー症状 ―(正しい組み合わせ)
L3-L4椎間板ヘルニア 膝蓋腱反射低下(L4) アキレス腱反射低下(S1)
腰部脊柱管狭窄症 神経性間欠跛行 鶏歩(腓骨神経麻痺)
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題63|脊椎・脊髄疾患と身体所見の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題63|脊椎・脊髄疾患と身体所見の組合せで正しいのはどれか。
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