学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0763

理由で解く 臨床医学各論

Q0763 整形外科疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題69
問題
L4-L5椎間板ヘルニアについて正しい記述はどれか。
選択肢
1 下肢症状は両側性に出現することが多い。
2 好発年齢は60 歳代である。
3 下肢伸展挙上テストは陽性である。
4 膝蓋腱反射が減弱する。
解答
正解3(下肢伸展挙上テストは陽性である)
解説
✗ 1. 誤り
下肢症状は両側性に出現することが多い。
L4-L5椎間板ヘルニアによる神経根症状は通常片側性(一側性)に出現する。髄核が後側方に脱出してL5神経根を片側で圧迫するため、症状は患側の下肢に限局する。両側性の症状は正中脱出(中心性ヘルニア)や馬尾型脊柱管狭窄症で出現することがあるが、典型的な椎間板ヘルニアでは稀である。
✗ 2. 誤り
好発年齢は60 歳代である。
腰椎椎間板ヘルニアの好発年齢は20〜40歳代の青壮年である。椎間板は加齢とともに水分含量が減少して線維化するため、60歳代では椎間板の膨隆・脱出は生じにくくなる。60歳代以降では腰部脊柱管狭窄症が主な腰下肢痛の原因となる。
✓ 3. 正しい
下肢伸展挙上テストは陽性である。
L4-L5椎間板ヘルニアではL5神経根が障害され、下肢伸展挙上テスト(SLRテスト、Straight Leg Raising test、ラセーグテスト)が陽性となる。仰臥位で患側の下肢を膝伸展位のまま挙上すると、坐骨神経が伸張されて下肢後面に放散痛が誘発される。L4/5およびL5/S1椎間板ヘルニアで高頻度に陽性を示す重要な理学所見である。
✗ 4. 誤り
膝蓋腱反射が減弱する。
膝蓋腱反射(PTR)はL3-4神経根支配(特にL4)であり、L4-L5椎間板ヘルニア(L5神経根障害)では通常減弱しない。膝蓋腱反射が正常に保たれることがL5神経根障害の特徴の一つである。膝蓋腱反射の減弱・消失はL3-L4間のヘルニア(L4神経根障害)で出現する。
ポイント
  • L4-L5椎間板ヘルニアではL5神経根が障害され、SLRテスト(ラセーグテスト)が陽性となる
  • 下肢症状は通常片側性、好発年齢は20〜40歳代、膝蓋腱反射はL4支配のため正常に保たれる
  • L4-L5とL5-S1では障害神経根・筋力低下・感覚障害・反射所見がそれぞれ異なり、高位診断の根拠となる
  • 重要用語: L4-L5椎間板ヘルニア, L5神経根障害, SLRテスト, 膝蓋腱反射 を正確に理解しておくこと。
比較表
椎間板レベル 障害神経根 筋力低下 感覚障害 反射
L3-L4 L4 大腿四頭筋(膝伸展) 下腿内側 膝蓋腱反射低下
L4-L5 L5 前脛骨筋・長母趾伸筋(母趾背屈) 下腿外側〜足背 正常
L5-S1 S1 腓腹筋・ヒラメ筋(足底屈曲) 足底・外側 アキレス腱反射低下
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題69|L4-L5椎間板ヘルニアについて正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題69|L4-L5椎間板ヘルニアについて正しい記述はどれか。
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