学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0328

理由で解く 臨床医学各論

Q0328 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題70
問題
肺気腫について正しい記述はどれか。
選択肢
1 肺胞の胞隔に線維化をきたす。
2 CO2 ナルコーシスをきたす。
3 呼気は短縮する。
4 肺機能検査で残気量が減少する。
解答
正解2(CO2ナルコーシスをきたす。)
解説
✗ 1. 誤り
肺胞の胞隔に線維化をきたす。
肺胞隔壁の線維化は間質性肺炎(肺線維症)の病態であり、肺気腫の病態ではない。 肺気腫では肺胞壁の破壊・拡張が特徴であり、弾性収縮力の低下により閉塞性換気障害をきたす。
✓ 2. 正しい
CO2 ナルコーシスをきたす。
肺気腫が進行すると肺胞の破壊により換気効率が低下し、CO2の排出が障害されてCO2ナルコーシスをきたすことがある。 CO2ナルコーシスとは、高炭酸ガス血症が持続して延髄の呼吸中枢が麻痺し、低酸素血症のみで呼吸が刺激される状態である。 この状態で高濃度酸素を投与すると呼吸中枢の刺激が抑制され、呼吸停止をきたす危険がある。
✗ 3. 誤り
呼気は短縮する。
肺気腫では気道閉塞により呼気は延長するのであり、短縮ではない。 閉塞性換気障害の特徴として、呼気時に気道が虚脱しやすく空気の排出に時間がかかるため、口すぼめ呼吸がみられる。
✗ 4. 誤り
肺機能検査で残気量が減少する。
肺気腫では肺胞の破壊と空気のトラッピング(残存)により残気量は増加する。 減少ではなく、残気率の上昇が特徴的な肺機能所見であり、肺の過膨脹を反映する。
ポイント
  • 肺気腫が進行するとCO2ナルコーシスをきたす可能性があり、高濃度酸素投与は呼吸停止のリスクがあるため避ける。
  • 肺気腫と間質性肺炎の病態の違い(肺胞壁の破壊 vs 肺胞隔壁の線維化)を正確に区別する。
  • 肺気腫では呼気延長・残気量増加・樽状胸・口すぼめ呼吸・ビール樽状胸郭が特徴的所見である。
  • 重要用語: CO2ナルコーシス, 高濃度酸素投与, 呼気延長, 残気量増加 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肺気腫 特発性肺線維症
基本病態 肺胞壁の破壊・拡張 肺胞隔壁の線維化
換気障害 閉塞性(1秒率低下) 拘束性(肺活量低下)
残気量 増加 減少
呼気 延長 著変なし
CO2ナルコーシス きたしうる まれ
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題70|肺気腫について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題70|肺気腫について正しい記述はどれか。
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