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理由で解く 臨床医学各論

Q0762 整形外科疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題68
問題
疾患と牽引方法との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 大腿骨骨幹部骨折 ― 直達牽引
2 腰椎椎間板ヘルニア ― スピードトラック牽引
3 大腿骨頸部骨折 ― 骨盤牽引
4 筋性斜頚 ― 頸椎牽引
解答
正解1(大腿骨骨幹部骨折―直達牽引)
解説
✓ 1. 正しい
大腿骨骨幹部骨折 ― 直達牽引
大腿骨骨幹部骨折では大腿の強力な筋群(大腿四頭筋、ハムストリングスなど)により骨折部の短縮・転位が生じるため、皮膚牽引では不十分な強力な牽引力が必要となる。キルシュナー鋼線を脛骨近位部や大腿骨遠位部の骨に直接刺入する直達牽引(骨牽引、skeletal traction)が適応となる。
✗ 2. 誤り
腰椎椎間板ヘルニア ― スピードトラック牽引
腰椎椎間板ヘルニアの保存的治療には骨盤牽引(pelvic traction)が用いられる。スピードトラック牽引は下肢の皮膚牽引であり、腰椎椎間板ヘルニアには適さない。骨盤牽引は腰椎を長軸方向に牽引して椎間板への圧迫を軽減し、神経根の除圧を図る方法である。
✗ 3. 誤り
大腿骨頸部骨折 ― 骨盤牽引
大腿骨頸部骨折にはスピードトラック牽引(皮膚牽引)やバック牽引(Buck's traction)などの一時的な介達牽引が用いられることがある。骨盤牽引は腰椎疾患に用いる方法であり、大腿骨頸部骨折には適さない。
✗ 4. 誤り
筋性斜頚 ― 頸椎牽引
筋性斜頚(muscular torticollis)は胸鎖乳突筋の短縮・拘縮による疾患であり、治療はストレッチング(徒手矯正)やマッサージが主体である。頸椎牽引は筋性斜頚の治療には用いられず、重症例では手術療法(胸鎖乳突筋切離術)が行われる。
ポイント
  • 大腿骨骨幹部骨折は強力な牽引力が必要なため直達牽引(骨牽引)が適応となる
  • 腰椎疾患には骨盤牽引、頸椎疾患にはグリソン牽引やハローベストが用いられる
  • 牽引方法は直達牽引(骨に直接刺入)と介達牽引(皮膚を介して牽引)に大別される
  • 重要用語: 直達牽引, 骨盤牽引, スピードトラック牽引, グリソン牽引 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 適切な牽引方法 理由
大腿骨骨幹部骨折 直達牽引(骨牽引) 強力な筋力に対抗する牽引力が必要
腰椎椎間板ヘルニア 骨盤牽引 腰椎の長軸牽引で椎間板圧を軽減
大腿骨頸部骨折 スピードトラック牽引(皮膚牽引) 一時的な安静・疼痛軽減
頸椎疾患 グリソン牽引・ハローベスト 頸椎の長軸牽引で神経根除圧
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題68|疾患と牽引方法との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題68|疾患と牽引方法との組合せで正しいのはどれか。
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