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理由で解く 臨床医学各論

Q0757 整形外科疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題85
問題
腰椎椎間板ヘルニアの症状でないのはどれか。
選択肢
1 腰痛
2 坐骨神経痛
3 足クローヌス
4 下肢の感覚障害
解答
正解3(足クローヌス)
解説
✗ 1.
腰痛
✗ 正しい。腰椎椎間板ヘルニアでは椎間板の突出(髄核の脱出)により神経根が圧迫され、腰痛が生じる。急性発症(いわゆる「ぎっくり腰」)で激しい腰痛が出現することが多く、腰痛は代表的な症状である。
✗ 2.
坐骨神経痛
✗ 正しい。L4/5やL5/S1レベルの腰椎椎間板ヘルニアでは、坐骨神経(L4〜S3神経根から構成)が圧迫・刺激され、坐骨神経痛(殿部から大腿後面・下腿・足部への放散痛)を呈する。坐骨神経痛は最も特徴的な症状の一つである。
✓ 3. 誤り
足クローヌス
足クローヌス(ankle clonus)は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の病的所見であり、腰椎椎間板ヘルニアの症状ではない。腰椎椎間板ヘルニアは神経根障害(下位運動ニューロン障害)であるため、深部腱反射は減弱〜消失し、クローヌスは出現しない。足クローヌスは脊髄疾患(頸髄症、胸髄症)や脳血管障害などの上位運動ニューロン障害で出現する所見である。
✗ 4.
下肢の感覚障害
✗ 正しい。腰椎椎間板ヘルニアでは圧迫された神経根の支配領域(デルマトーム)に一致した下肢の感覚障害(しびれ・感覚鈍麻)がみられる。L5障害では下腿外側〜足背、S1障害では足外側〜小趾の感覚障害が出現し、重要な症状である。
ポイント
  • 足クローヌスは上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の所見であり、下位運動ニューロン障害である腰椎椎間板ヘルニアでは出現しない
  • 腰椎椎間板ヘルニアでは腰痛・坐骨神経痛・下肢感覚障害がみられ、深部腱反射は減弱〜消失する
  • 上位と下位の運動ニューロン障害では、反射・筋緊張・病的反射の所見が逆転する点が鑑別のポイント
  • 重要用語: 足クローヌス, 上位運動ニューロン障害, 下位運動ニューロン障害, 錐体路障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 上位運動ニューロン障害 下位運動ニューロン障害
代表疾患 脊髄疾患、脳血管障害 腰椎椎間板ヘルニア、末梢神経障害
麻痺の性状 痙性麻痺 弛緩性麻痺
深部腱反射 亢進 減弱・消失
病的反射 陽性(バビンスキーなど) 陰性
クローヌス 出現する 出現しない
筋萎縮 軽度(廃用性) 著明(神経原性)
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題85|腰椎椎間板ヘルニアの症状でないのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題85|腰椎椎間板ヘルニアの症状でないのはどれか。
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