学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ D. 筋・腱疾患 / Q0696

理由で解く 臨床医学各論

Q0696 整形外科疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題84
問題
手の腱鞘炎について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 反復する物理的刺激により起こる。
2 ドゥ・ケルバン病は手関節尺側に起こる。
3 ばね指の原因となる。
4 局所の圧痛を認める。
解答
正解2(ドゥ・ケルバン病は手関節尺側に起こる。)
解説
✗ 1.
反復する物理的刺激により起こる。
✗ 正しい。腱鞘炎は反復する手指の使用など物理的・機械的刺激(オーバーユース)により発症する。繰り返される腱と腱鞘の摩擦が炎症を引き起こし、腱鞘の肥厚や狭窄をもたらす。手を酷使する職業やスポーツに従事する人に多い。
✓ 2. 誤り
ドゥ・ケルバン病は手関節尺側に起こる。
ドゥ・ケルバン(de Quervain)病は手関節「橈側」(母指側)の橈骨茎状突起部における狭窄性腱鞘炎であり、「尺側」ではない。短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が通る第1背側区画の腱鞘に炎症が生じる。フィンケルシュタインテスト(母指を握り込み手関節を尺屈すると疼痛が誘発される)が特異的な検査法である。
✗ 3.
ばね指の原因となる。
✗ 正しい。指の屈筋腱の腱鞘炎が進行すると、腱と靱帯性腱鞘のサイズ不一致により腱の滑走障害が生じ、ばね指(弾発指)の原因となる。MP関節レベルの腱鞘(A1 pulley)で屈筋腱がひっかかり弾発現象を呈する。
✗ 4.
局所の圧痛を認める。
✗ 正しい。腱鞘炎では炎症部位に一致した局所の圧痛を認める。ドゥ・ケルバン病では橈骨茎状突起部に、ばね指では手掌側のMP関節部に圧痛を触知する。圧痛は腱鞘炎の重要な理学的所見である。
ポイント
  • ドゥ・ケルバン病は手関節「橈側」の狭窄性腱鞘炎であり「尺側」ではない
  • 短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の腱鞘炎であり、フィンケルシュタインテストが診断に有用である
  • 腱鞘炎は反復動作(オーバーユース)で生じ、ばね指の原因にもなり、局所に圧痛を認める
  • 重要用語: ドゥ・ケルバン病、フィンケルシュタインテスト を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患名 部位 罹患する腱 診断的テスト
ドゥ・ケルバン病 手関節橈側(橈骨茎状突起部) 短母指伸筋腱・長母指外転筋腱 フィンケルシュタインテスト
ばね指(弾発指) 手掌側MP関節部 屈筋腱(深指屈筋腱・浅指屈筋腱) 弾発現象の確認
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題84|手の腱鞘炎について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題84|手の腱鞘炎について誤っている記述はどれか。
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