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理由で解く 臨床医学各論

Q0755 整形外科疾患

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題74
問題
腰部脊柱管狭窄症について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腰椎屈曲位で疼痛が軽減する。
2 間欠跛行がある。
3 下肢症状は片側性である。
4 安静時痛は少ない。
解答
正解3(下肢症状は片側性である)
解説
✗ 1.
腰椎屈曲位で疼痛が軽減する。
✗ 正しい。腰椎屈曲位(前屈み姿勢)では脊柱管が拡大し、馬尾・神経根への圧迫が軽減されるため疼痛が軽減する。逆に腰椎伸展位(立位・歩行時)では脊柱管が狭窄し症状が増強する。前かがみで休むと楽になる、自転車に乗れるなどの特徴がある。正しい記述である。
✗ 2.
間欠跛行がある。
✗ 正しい。神経性間欠跛行(neurogenic intermittent claudication)は腰部脊柱管狭窄症の最も特徴的な症状である。歩行時に下肢痛・しびれが出現し、前屈位での休息により数分で改善して再び歩行可能となる。閉塞性動脈硬化症(ASO)の血管性間欠跛行との鑑別が重要である。正しい記述である。
✓ 3. 誤り
下肢症状は片側性である。
腰部脊柱管狭窄症の下肢症状は両側性であることが多い。特に馬尾型(cauda equina type)では脊柱管中央部の狭窄により馬尾神経全体が圧迫され、両下肢に症状が出現する。神経根型では片側性のこともあるが、馬尾型や混合型を含めると全体としては両側性が多く、「片側性である」という断定は誤りである。
✗ 4.
安静時痛は少ない。
✗ 正しい。腰部脊柱管狭窄症では安静時は神経への圧迫が軽減されるため、安静時痛は少ない。症状は歩行・立位時に出現し、安静・前屈位で軽快する。安静時にも持続する痛みがある場合は腫瘍や感染症など他の病態を疑う必要がある。正しい記述である。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症の下肢症状は両側性であることが多く(特に馬尾型)、「片側性」は誤り
  • 腰椎屈曲位で脊柱管が拡大し症状が軽減し、神経性間欠跛行が特徴的で、安静時痛は少ない
  • 神経性間欠跛行と血管性間欠跛行(ASO)の鑑別では、前屈位での軽減の有無と足背動脈触知が重要
  • 重要用語: 腰部脊柱管狭窄症, 両側性下肢症状, 馬尾型, 神経性間欠跛行 を正確に理解しておくこと。
比較表
比較項目 腰部脊柱管狭窄症(神経性) 閉塞性動脈硬化症(血管性)
間欠跛行 あり あり
前屈位での軽減 あり(脊柱管拡大) なし
自転車走行 可能(前屈位のため) 困難
足背動脈触知 正常 減弱・消失
ABI(足関節上腕血圧比) 正常 低下(<0.9)
好発年齢 高齢者 高齢者(動脈硬化リスク)
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題74|腰部脊柱管狭窄症について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題74|腰部脊柱管狭窄症について誤っている記述はどれか。
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