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理由で解く 臨床医学各論

Q0743 整形外科疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題80
問題
L5‐S1椎間板ヘルニアの所見で誤っているのはどれか。
選択肢
1 ラセーグ徴候陽性
2 膝蓋腱反射消失
3 アキレス腱反射消失
4 腓腹筋筋力低下
解答
正解2(膝蓋腱反射消失)
解説
✗ 1.
ラセーグ徴候陽性
✗ 正しい。ラセーグ徴候(SLRテスト)はL5-S1椎間板ヘルニアによるS1神経根の伸張痛として陽性を呈する。坐骨神経(L4〜S3)が伸張されることで下肢後面に放散痛が誘発される。L5-S1ヘルニアでは高頻度に陽性となる。
✓ 2. 誤り
膝蓋腱反射消失
L5-S1椎間板ヘルニアではS1神経根が圧迫される。膝蓋腱反射の反射中枢はL2-4(主にL3-4)であり、S1神経根障害では膝蓋腱反射は影響を受けず正常に保たれる。膝蓋腱反射消失はL3-4レベルの障害で出現する所見であり、L5-S1ヘルニアの所見としては誤りである。
✗ 3.
アキレス腱反射消失
✗ 正しい。アキレス腱反射の反射中枢はS1-2(主にS1)であり、L5-S1椎間板ヘルニアによるS1神経根障害では反射が低下または消失する。アキレス腱反射消失はL5-S1ヘルニアの特徴的所見である。
✗ 4.
腓腹筋筋力低下
✗ 正しい。腓腹筋はS1神経根支配であり、L5-S1椎間板ヘルニアによるS1神経根障害で筋力低下(足関節底屈力低下、つま先立ちができない)がみられる。ヒラメ筋とともに下腿三頭筋を構成し、S1障害で底屈力が低下する。
ポイント
  • L5-S1椎間板ヘルニアではS1神経根が障害され、膝蓋腱反射(L3-4支配)は正常、消失するのはアキレス腱反射(S1支配)である
  • S1神経根障害の三徴は、アキレス腱反射消失・腓腹筋筋力低下(底屈力低下)・足外側の知覚障害である
  • L5神経根障害との鑑別は腱反射の変化(S1→アキレス腱反射低下、L5→腱反射正常)と筋力低下の部位で行う
  • 重要用語: S1神経根障害とL3-4支配の膝蓋腱反射の区別 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見項目 L5-S1ヘルニア(S1障害) L4-5ヘルニア(L5障害)
腱反射 アキレス腱反射消失 腱反射正常
筋力低下 腓腹筋・ヒラメ筋(底屈力低下) 前脛骨筋・長母趾伸筋(背屈力低下)
知覚障害 足外側・小趾 下腿外側・足背・母趾
ラセーグ徴候 陽性 陽性
膝蓋腱反射 正常(L3-4支配) 正常(L3-4支配)
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題80|L5‐S1椎間板ヘルニアの所見で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題80|L5‐S1椎間板ヘルニアの所見で誤っているのはどれか。
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