学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0709

理由で解く 臨床医学各論

Q0709 整形外科疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題79
問題
先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 女児に多い。
2 開排制限がある。
3 大腿内側の皮膚溝が非対称となる。
4 内反足を伴う。
解答
正解4(内反足を伴う)
解説
✗ 1.
女児に多い。
✗ 正しい。先天性股関節脱臼は女児に圧倒的に多く、男女比は約1:5〜9である。妊娠末期に母体から分泌される関節弛緩ホルモンの影響で関節弛緩性が増大し、女性の骨盤形態も関与する。家族内発生も認められ遺伝的素因も示唆されている。この記述は正しい。
✗ 2.
開排制限がある。
✗ 正しい。先天性股関節脱臼では大腿骨頭が臼蓋から逸脱し後外上方に転位しているため、股関節外転時に抵抗が生じ開排制限を呈する。おむつ替え時に両下肢の開きが左右非対称であることから発見されることが多く、新生児期から認められる最重要所見である。この記述は正しい。
✗ 3.
大腿内側の皮膚溝が非対称となる。
✗ 正しい。患側の大腿骨頭が上方に転位し下肢が短縮・外旋位をとるため、大腿内側の皮膚溝が健側より深く、数も多く、長くなり左右非対称となる。この皮膚溝の非対称性(アリス徴候の一つ)は乳児健診で発見されやすい視覚的所見である。この記述は正しい。
✓ 4. 誤り
内反足を伴う。
内反足は先天性股関節脱臼に特徴的に伴う合併症ではない。先天性内反足は足底が内反・尖足・内転・凹足をとる独立した先天異常であり、男児に多く、先天性股関節脱臼とは病態的に無関係である。先天性股関節脱臼の特徴的所見はオルトラニテスト陽性、アリス徴候、トレンデレンブルグ徴候(歩行期)などである。
ポイント
  • 先天性股関節脱臼と先天性内反足は独立した疾患であり、内反足は股関節脱臼の随伴症状ではない
  • 女児に圧倒的に多く(男女比1:5〜9)、母体ホルモンの影響・骨盤形態の性差・遺伝的素因が関与する
  • 開排制限は新生児期から認められる最重要所見であり、3〜4か月健診での早期発見が治療の鍵となる
  • 重要用語: 先天性股関節脱臼, 開排制限, 皮膚溝非対称, オルトラニテスト を正確に理解しておくこと。
比較表
先天性股関節脱臼の主な症状 新生児期 乳児期 歩行期
開排制限
オルトラニテスト -
皮膚溝非対称
アリス徴候
トレンデレンブルグ徴候 - -
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題79|先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題79|先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手