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理由で解く 臨床医学各論

Q0744 整形外科疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題83
問題
椎間板ヘルニアについて誤っているのはどれか。
選択肢
1 脱出した髄核が神経根を圧迫する。
2 L5-S1間のヘルニアでは大腿四頭筋の筋力が低下する。
3 単純エックス線写真で椎間腔は狭小化する。
4 再発を繰り返す患者には手術を行う。
解答
正解2(L5-S1間のヘルニアでは大腿四頭筋の筋力が低下する)
解説
✗ 1.
脱出した髄核が神経根を圧迫する。
✗ 正しい。椎間板ヘルニアでは椎間板の髄核が後縦靱帯の弱い後側方に脱出し、近傍の神経根を圧迫して痛みやしびれを生じる。髄核脱出による神経根圧迫が病態の本質であり、正しい記述である。
✓ 2. 誤り
L5-S1間のヘルニアでは大腿四頭筋の筋力が低下する。
L5-S1間の椎間板ヘルニアではS1神経根が圧迫されるため、腓腹筋やヒラメ筋の筋力低下(足関節底屈力低下、つま先立ち困難)がみられる。大腿四頭筋はL2-4神経根支配(特にL3-4)であり、L5-S1間のヘルニアでは筋力低下を来さない。大腿四頭筋の筋力低下はL3-4間のヘルニアで出現する。
✗ 3.
単純エックス線写真で椎間腔は狭小化する。
✗ 正しい。椎間板ヘルニアでは髄核の脱出により椎間板の高さが減少するため、単純X線写真で椎間腔の狭小化が認められることがある。椎間板自体はX線で描出されないが、椎間腔の狭小化は間接的にヘルニアの存在を示唆する。
✗ 4.
再発を繰り返す患者には手術を行う。
✗ 正しい。保存的治療(安静、NSAIDs、神経ブロックなど)で改善せず再発を繰り返す症例や、高度の神経障害(筋力低下、膀胱直腸障害、馬尾症候群)がある場合は手術適応となる。膀胱直腸障害は緊急手術の適応である。
ポイント
  • L5-S1間ヘルニアでは腓腹筋・ヒラメ筋の筋力低下(底屈力低下)であり、大腿四頭筋(L2-4支配)は障害されない
  • 各ヘルニアレベルと障害神経根・筋力低下部位・腱反射変化の対応を正確に覚える
  • 保存的治療抵抗例や膀胱直腸障害(馬尾症候群)は手術適応であり、特に後者は緊急手術を要する
  • 重要用語: 神経根レベルと支配筋の対応関係 を正確に理解しておくこと。
比較表
ヘルニアレベル 障害神経根 筋力低下部位 腱反射変化
L3-4間 L4 大腿四頭筋(膝伸展力低下) 膝蓋腱反射低下
L4-5間 L5 前脛骨筋・長母趾伸筋(背屈力低下) 腱反射正常
L5-S1間 S1 腓腹筋・ヒラメ筋(底屈力低下) アキレス腱反射低下
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題83|椎間板ヘルニアについて誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題83|椎間板ヘルニアについて誤っているのはどれか。
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