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理由で解く 臨床医学各論

Q0729 整形外科疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題50
問題
特発性側弯症について正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 前屈姿勢で左右の鎖骨の張り出しの差を診る。
3 コブ角は脊椎側面エックス線写真で測定する。
4 早期発見には学校健康診断が重要である。
解答
正解4(早期発見には学校健康診断が重要である)
解説
✗ 1. 誤り
男性に多い。
特発性側弯症は女性に圧倒的に多く、男女比は約1:5〜10である。特に思春期発症型(10〜15歳)の女子に好発する。 成長速度の違いや靭帯・筋肉の柔軟性の性差が関与するとされるが、原因は不明である。女性優位が顕著な疾患の代表例として覚える。
✗ 2. 誤り
前屈姿勢で左右の鎖骨の張り出しの差を診る。
前屈姿勢(アダムス前屈テスト)で診るのは左右の肋骨隆起(rib hump)の差であり、鎖骨の張り出しの差ではない。患者を前屈させて背部から観察し、脊柱の回旋変形による肋骨の左右非対称を検出する。 鎖骨は前胸部に位置するため、背部から前屈を観察する側弯症のスクリーニングでは評価対象にならない。
✗ 3. 誤り
コブ角は脊椎側面エックス線写真で測定する。
コブ角(Cobb angle)は脊椎の正面(前後方向)X線写真で測定する。側面写真ではない。側弯の上端椎体の上縁と下端椎体の下縁に平行線を引き、それぞれの垂直線がなす角度を測定する。 コブ角20度以上で装具療法、40〜50度以上で手術療法の適応となる。側面X線は後弯・前弯の評価に用いるものである。
✓ 4. 正しい
早期発見には学校健康診断が重要である。
特発性側弯症の早期発見には学校健康診断が極めて重要である。思春期女子に好発し、初期は無症状であるため、学校健診でのアダムス前屈テストによる背部の左右非対称(肋骨隆起)の検出が早期発見の鍵となる。 日本では小学校高学年から中学校で集団検診が実施されており、早期発見により装具療法で進行を抑制できる。骨成長終了後は進行しにくいため、成長期の管理が最も重要である。
ポイント
  • 特発性側弯症の早期発見には学校健康診断でのアダムス前屈テストが極めて重要である
  • 女性に圧倒的に多く(男女比1:5〜10)、コブ角は正面X線で測定する(側面ではない)
  • 前屈テストで観察するのは肋骨隆起(rib hump)であり、鎖骨の張り出しではない
  • 重要用語: アダムス前屈テストとコブ角測定 を正確に理解しておくこと。
比較表
コブ角 治療方針
10〜20度 経過観察(3〜6か月ごと)
20〜40度 装具療法(ミルウォーキーブレース等)
40〜50度以上 手術療法(脊椎固定術)
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題50|特発性側弯症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題50|特発性側弯症について正しいのはどれか。
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