学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0856

理由で解く 臨床医学各論

Q0856 整形外科疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題51
問題
受傷直後の足関節捻挫に対する RICE 処置について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 ギプス包帯を行う。
2 湿布を患部に貼付する。
3 損傷靱帯部を圧迫する。
4 患肢は頭より高く上げる。
解答
正解3(損傷靱帯部を圧迫する。)
解説
✗ 1. 誤り
ギプス包帯を行う。
ギプス包帯はRICE処置には含まれない。RICE処置のR(Rest:安静)はテーピングやシーネなどによる簡便な安静を意味し、ギプス固定は急性期の初期対応としては過度な固定である。 ギプス固定は骨折確定後の治療に用いられるものであり、応急処置の段階で行うものではない。
✗ 2. 誤り
湿布を患部に貼付する。
湿布の貼付はRICE処置には含まれない。I(Ice:冷却)は氷嚢やアイスパックによるアイシング(15〜20分間を繰り返す)を意味する。 湿布は冷感を与えるが、実際の組織温度を十分に低下させる効果は限定的であり、受傷直後の急性炎症を抑制するには不十分である。
✓ 3. 正しい
損傷靱帯部を圧迫する。
RICE処置のC(Compression:圧迫)として、損傷靭帯部を弾性包帯などで圧迫することが最も適切である。 圧迫により損傷部位の出血と腫脹を抑制する効果がある。RICE処置はRest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字であり、急性外傷の初期対応の基本原則として広く推奨されている。
✗ 4. 誤り
患肢は頭より高く上げる。
RICE処置のE(Elevation:挙上)は患肢を「心臓より高く」上げることであり、「頭より高く」ではない。 心臓より高い位置に挙上することで静脈還流を促進し、腫脹を軽減する。頭より高くする必要はなく、仰臥位で患肢をクッション等に乗せて心臓より高くするだけで十分な効果が得られる。
ポイント
  • RICE処置はRest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4要素からなり、急性外傷の初期対応の基本原則である
  • 挙上の基準は「心臓より高く」であり、「頭より高く」ではない点がひっかけポイントとなる
  • ギプス固定や湿布はRICE処置に含まれないため、選択肢として出題された場合は誤りと判断する
  • 重要用語: RICE処置, Compression(圧迫), 挙上は心臓より高く を正確に理解しておくこと。
比較表
RICE 要素 具体的な方法 目的
R Rest(安静) テーピング・シーネ固定 損傷拡大の防止
I Ice(冷却) 氷嚢・アイスパック 15〜20分 炎症・疼痛の軽減
C Compression(圧迫) 弾性包帯による圧迫 出血・腫脹の抑制
E Elevation(挙上) 心臓より高く挙上 静脈還流促進・腫脹軽減
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題51|受傷直後の足関節捻挫に対する RICE 処置について最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題51|受傷直後の足関節捻挫に対する RICE 処置について最も適切なのはどれか。
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