学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0855

理由で解く 臨床医学各論

Q0855 整形外科疾患

出典:あマ指 第29回(2021) 問題80
問題
「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」実施すべき画像検査で適切でないのはどれか。
選択肢
1 手関節2方向単純エックス線撮影
2 手関節斜位単純エックス線撮影
3 超音波断層検査
4 骨シンチグラフィ
解答
正解4(骨シンチグラフィ)
解説
✗ 1.
手関節2方向単純エックス線撮影
✗ 正しい。手関節2方向(正面・側面)の単純X線撮影は骨折の有無を確認するための基本的な画像検査であり、受傷直後にまず行うべきものである。 コーレス骨折や舟状骨骨折の診断に不可欠な検査であり、骨折の転位・変形の評価にも用いられる。外傷時の画像検査として最も優先度が高い。
✗ 2.
手関節斜位単純エックス線撮影
✗ 正しい。手関節斜位のX線撮影は通常の2方向では描出困難な骨折を検出するのに有用な追加撮影法である。 特に舟状骨骨折は通常の正面・側面撮影では骨折線が不明瞭なことがあり、斜位撮影(舟状骨軸位撮影)で発見されることがある。手根骨の重なりを避けて骨折線を明瞭にする目的で行う。
✗ 3.
超音波断層検査
✗ 正しい。超音波断層検査は骨折の評価や軟部組織(靭帯・腱)の損傷評価に有用な非侵襲的検査であり、受傷直後にも適切に実施できる。 放射線被曝がなく繰り返し施行可能な利点があり、特に15歳の若年者では被曝低減の観点からも有用である。骨折部の血腫や軟部組織の腫脹も評価できる。
✓ 4. 誤り
骨シンチグラフィ
(適切でないもの=正答)骨シンチグラフィは放射性同位元素(テクネチウム99m)を静脈注射して骨の代謝活性を画像化する核医学検査であり、急性外傷の初期評価には適切でない。 骨シンチグラフィは主に骨転移の全身スクリーニング・疲労骨折・慢性骨髄炎の診断に用いられる検査である。放射性物質の投与が必要で侵襲性が高く、受傷直後の急性手関節外傷に対しては過剰な検査である。
ポイント
  • 急性の手関節外傷では、まず2方向のX線撮影を行い、必要に応じて斜位撮影や超音波検査を追加する
  • 骨シンチグラフィは骨転移や疲労骨折のスクリーニングに用いる核医学検査であり、急性外傷の初期評価には不適切である
  • 舟状骨骨折が疑われX線で不明瞭な場合にはMRIが有用であり、2週後のX線再検も行われる
  • 重要用語: 単純X線検査, 骨シンチグラフィ, 舟状骨骨折の画像診断 を正確に理解しておくこと。
比較表
画像検査 適応 急性外傷での有用性
単純X線(2方向) 骨折の基本的評価 第一選択
単純X線(斜位) 骨折線の追加評価 舟状骨骨折疑いで有用
超音波検査 軟部組織・骨折評価 非侵襲的で有用
MRI 舟状骨骨折・軟部組織 X線陰性の骨折疑いに有用
骨シンチグラフィ 骨転移・疲労骨折 急性外傷には不適切
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題80|「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」実施すべき画像検査で適切でないのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題80|「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」実施すべき画像検査で適切でないのはどれか。
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