学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0854

理由で解く 臨床医学各論

Q0854 整形外科疾患

出典:あマ指 第29回(2021) 問題79
問題
「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」本症例でみられにくいのはどれか。
選択肢
1 フォーク状変形
2 タバコ窩の圧痛
3 血行障害
4 フローマン徴候陽性
解答
正解4(フローマン徴候陽性)
解説
✗ 1.
フォーク状変形
✗ 正しい。フォーク状変形は橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)の特徴的な変形であり、手関節背屈位での受傷で骨折を生じた場合にみられうる。 橈骨遠位端が背側に転位し、側面からみるとフォークの形状に似た変形を呈する。コーレス骨折は手をついて転倒した際に生じる最も頻度の高い前腕骨折である。
✗ 2.
タバコ窩の圧痛
✗ 正しい。タバコ窩(解剖学的嗅ぎタバコ窩)の圧痛は舟状骨骨折の重要な臨床所見である。 手関節の橈背屈を強いられた受傷機転では舟状骨骨折が生じうるため、タバコ窩の圧痛はみられうる所見である。嗅ぎタバコ窩は長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間に位置する。
✗ 3.
血行障害
✗ 正しい。血行障害は骨折に伴い周囲の血管が圧迫・損傷されることで生じうる合併症である。 特にコーレス骨折では橈骨動脈の圧迫や正中神経の損傷に注意が必要であり、末梢の循環障害(蒼白・冷感・脈拍触知不良)はみられうる所見である。
✓ 4. 誤り
フローマン徴候陽性
(みられにくいもの=正答)フローマン徴候は尺骨神経麻痺の検査法であり、母指内転筋の筋力低下を評価するものである。 紙を母指と示指の側面で挟ませ、引き抜こうとした際に母指のIP関節が屈曲すれば陽性とする。母指内転筋は尺骨神経支配であり、手関節橈背屈の受傷機転とは直接関係がない検査である。尺骨神経麻痺は肘部管症候群やギヨン管症候群で生じる病態であり、本症例の手関節外傷の所見としてはみられにくい。
ポイント
  • フローマン徴候は尺骨神経麻痺(母指内転筋の筋力低下)の検査であり、手関節外傷の所見ではない
  • 手関節橈背屈の受傷機転では、コーレス骨折(フォーク状変形)と舟状骨骨折(タバコ窩圧痛)が疑われる
  • 骨折の合併症として血行障害・神経障害・コンパートメント症候群に注意する
  • 重要用語: フローマン徴候, コーレス骨折, 舟状骨骨折, 嗅ぎタバコ窩 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題79|「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」本症例でみられにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題79|「15歳の男子。ラグビー練習中に転倒し左手関節橈背屈を強いられた。直後から手関節痛が強いため医療機関を受診した。」本症例でみられにくいのはどれか。
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