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理由で解く 臨床医学各論

Q0857 整形外科疾患

出典:あマ指 第30回(2022) 問題48
問題
脱臼の部位と損傷神経の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肩関節脱臼 ― 肩甲上神経
2 橈骨頭脱臼 ― 橈骨神経
3 股関節脱臼 ― 大腿神経
4 膝関節脱臼 ― 総腓骨神経
解答
正解2,4 (複数の正答がある問題)
解説
✗ 1. 誤り
肩関節脱臼 ― 肩甲上神経
肩関節脱臼(特に前方脱臼)で損傷されやすい神経は腋窩神経であり、肩甲上神経ではない。 腋窩神経は三角筋と小円筋を支配し、四辺形間隙を通過する。肩関節前方脱臼では約20%に腋窩神経の麻痺を合併し、三角筋の萎縮と肩関節外転障害が生じる。肩甲上神経は棘上筋・棘下筋を支配するが、脱臼との関連は薄い。
✓ 2. 正しい
橈骨頭脱臼 ― 橈骨神経
橈骨頭脱臼では橈骨神経が損傷される可能性がある。 橈骨神経は上腕骨体部の橈骨神経溝を走行し、肘関節外側で浅枝と深枝(後骨間神経)に分岐する。橈骨頭付近を走行するため脱臼の際に損傷を受けやすい。橈骨神経麻痺では手関節の背屈が不能となり下垂手を呈する。
✗ 3. 誤り
股関節脱臼 ― 大腿神経
股関節脱臼(特に後方脱臼)で損傷されやすい神経は坐骨神経であり、大腿神経ではない。 股関節後方脱臼が全体の約90%を占め、坐骨神経は股関節の後方を走行するため損傷を受けやすい。大腿神経は股関節前方を走行しており、後方脱臼では損傷されにくい。
✓ 4. 正解
膝関節脱臼 ― 総腓骨神経
✗ 正しい。膝関節脱臼では総腓骨神経が損傷されやすい。 総腓骨神経は腓骨頭の後方を巻きつくように走行しており、膝関節脱臼時に伸長・圧迫されて損傷しやすい。総腓骨神経麻痺では足関節の背屈が不能となり下垂足を呈する。膝関節脱臼では膝窩動脈の損傷も高頻度に合併するため注意が必要である。
ポイント
  • 脱臼と損傷神経の組合せは国試頻出テーマである。各脱臼部位に隣接して走行する神経を解剖学的に理解しておく
  • 肩関節前方脱臼→腋窩神経、股関節後方脱臼→坐骨神経は特に出題頻度が高い
  • 下垂手(橈骨神経麻痺)と下垂足(総腓骨神経麻痺)は名称が紛らわしいため区別して覚える
  • 重要用語: 腋窩神経, 橈骨神経, 坐骨神経, 総腓骨神経 を正確に理解しておくこと。
比較表
脱臼部位 損傷されやすい神経 麻痺の特徴的症状
肩関節(前方脱臼) 腋窩神経 三角筋麻痺(肩外転不能)
肘関節 尺骨神経 / 正中神経 手指の巧緻運動障害
橈骨頭 橈骨神経 下垂手(手関節背屈不能)
股関節(後方脱臼) 坐骨神経 下肢の知覚・運動障害
膝関節 総腓骨神経 下垂足(足関節背屈不能)
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題48|脱臼の部位と損傷神経の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題48|脱臼の部位と損傷神経の組合せで正しいのはどれか。
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