学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0719

理由で解く 臨床医学各論

Q0719 整形外科疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題60
問題
生後3か月検診で右股関節の関排制限を認めた。最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 ペルテス病
2 先天性股関節脱臼
3 大腿骨頭すべり症
4 大腿骨頭壊死症
解答
正解2(先天性股関節脱臼)
解説
✗ 1. 誤り
ペルテス病
ペルテス病は4〜8歳(特に6〜8歳)の男児に好発する大腿骨頭の虚血性壊死である。骨頭への血行障害が原因であり、生後3か月の乳児では発症しない年齢である。跛行や股関節痛が初発症状となることが多い。
✓ 2. 正しい
先天性股関節脱臼
生後3か月の乳児に股関節の開排制限がみられる場合、先天性股関節脱臼が最も考えられる。女児に多く(男女比1:5〜9)、開排制限は新生児期から認められる最重要所見であり、3〜4か月健診の主要スクリーニング項目である。治療にはリーメンビューゲル装具(3〜4か月で装着)が用いられ、整復困難例には手術が行われる。
✗ 3. 誤り
大腿骨頭すべり症
大腿骨頭すべり症は思春期(10〜15歳)の肥満男児に好発する疾患であり、骨端線の脆弱性により大腿骨頭骨端が後下方にすべる。乳児期には骨端線の構造が異なり体重負荷も少ないため発症しない。
✗ 4. 誤り
大腿骨頭壊死症
大腿骨頭壊死症は成人に多く、ステロイド使用・アルコール多飲・外傷などが原因となる。生後3か月の乳児には該当する危険因子が存在せず考えにくい。
ポイント
  • 乳児の開排制限=先天性股関節脱臼を第一に考える鉄則であり、3〜4か月健診の最重要チェック項目である
  • 大腿骨頭の疾患は年齢で鑑別する:乳児期=先天性股関節脱臼、4〜8歳=ペルテス病、思春期=大腿骨頭すべり症、成人=大腿骨頭壊死症
  • 先天性股関節脱臼の治療はリーメンビューゲル装具(3〜4か月で装着)が第一選択である
  • 重要用語: 開排制限, 先天性股関節脱臼, リーメンビューゲル装具, 年齢別鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 好発年齢 好発性別 主な症状
先天性股関節脱臼 乳児期 女児 開排制限・クリックサイン
ペルテス病 4〜8歳 男児 跛行・股関節痛
大腿骨頭すべり症 10〜15歳 肥満男児 跛行・股関節痛
大腿骨頭壊死症 成人 男性 股関節痛・跛行
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題60|生後3か月検診で右股関節の関排制限を認めた。最も考えられる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題60|生後3か月検診で右股関節の関排制限を認めた。最も考えられる疾患はどれか。
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