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理由で解く 臨床医学各論

Q0813 整形外科疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題61
問題
小児の骨折について正しい記述はどれか。
選択肢
1 不全骨折の比率が低い。
2 骨端線損傷は成長障害の原因にならない。
3 自家矯正能は旺盛である。
4 骨癒合が遅い。
解答
正解3(自家矯正能は旺盛である。)
解説
✗ 1. 誤り
不全骨折の比率が低い。
小児の骨は成人に比べて弾力性に富み骨膜が厚いため、完全に折れずに曲がる不全骨折(若木骨折)の比率が高い。竹のように曲がって一部分だけ裂ける形態をとるため若木骨折と呼ばれる。「比率が低い」は正反対の誤りである。
✗ 2. 誤り
骨端線損傷は成長障害の原因にならない。
骨端線(成長軟骨板)の損傷は成長障害の重要な原因となる。骨端線は骨の長軸方向への成長に関わる部位であり、損傷により早期閉鎖や部分的な成長停止が生じると、四肢の短縮や変形(左右の脚長差や角状変形)を引き起こす。
✓ 3. 正しい
自家矯正能は旺盛である。
小児の骨はリモデリング能力が旺盛であり、自家矯正能が高い。多少の転位(ずれ)や角状変形が残っても、成長に伴って自然に矯正される。特に骨折が骨端線に近いほど、また年齢が低いほど自家矯正能は高い。このため小児の骨折では成人に比べて厳密な整復を必要としない場合がある。
✗ 4. 誤り
骨癒合が遅い。
小児は骨代謝が活発で骨膜の骨形成能力が旺盛であるため、骨癒合は成人より早い。小児の骨膜は厚く血流も豊富であるため、仮骨形成が速やかに進行する。「骨癒合が遅い」は正反対の誤りである。
ポイント
  • 小児骨折の特徴は「不全骨折の比率が高い」「自家矯正能が旺盛」「骨癒合が早い」の3点であり、いずれも成人と正反対である
  • 骨端線損傷は四肢の成長障害(短縮・変形)の原因となるため、小児骨折では特に注意が必要である
  • 小児の骨は弾力性に富み骨膜が厚いため、成人とは異なる骨折パターン(若木骨折など)を示す
  • 重要用語: 小児骨折の自家矯正能と骨端線損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 小児骨折 成人骨折
不全骨折(若木骨折) 比率が高い 少ない(完全骨折が多い)
自家矯正能 旺盛 低い
骨癒合速度 早い 時間がかかる
骨端線損傷 成長障害の原因となる 骨端線閉鎖済みで問題なし
骨膜 厚く血流豊富 薄い
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題61|小児の骨折について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題61|小児の骨折について正しい記述はどれか。
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