学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0713

理由で解く 臨床医学各論

Q0713 整形外科疾患

出典:鍼灸 第9回(2001) 問題79
問題
先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 女児に多い。
2 オルトラニー徴候を認める。
3 大腿内側皮膚溝は非対称となる。
4 幼児期には腰椎後弯を認める。
解答
正解4(幼児期には腰椎後弯を認める)
解説
✗ 1.
女児に多い。
✗ 正しい。先天性股関節脱臼は女児に圧倒的に多く、男女比は約1:5〜9である。妊娠末期に母体から分泌される関節弛緩ホルモンの影響や女性の骨盤形態が関与し、家族内発生もみられ遺伝的素因も示唆されている。この記述は正しい。
✗ 2.
オルトラニー徴候を認める。
✗ 正しい。オルトラニー徴候(Ortolani sign)は脱臼した股関節を開排する際に、大腿骨頭が臼蓋に整復される時のクリック音と弾発感を触知する所見である。新生児期から乳児期早期の診断に極めて重要であり、スクリーニング検査として広く用いられている。この記述は正しい。
✗ 3.
大腿内側皮膚溝は非対称となる。
✗ 正しい。脱臼側の大腿骨頭が後外上方に転位し下肢が短縮・外旋位をとるため、大腿内側の皮膚溝が健側より深く、数も多く、長くなり左右非対称となる。乳児健診で発見されやすい視覚的特徴である。この記述は正しい。
✓ 4. 誤り
幼児期には腰椎後弯を認める。
先天性股関節脱臼の幼児期には腰椎後弯ではなく腰椎前弯の増強がみられる。脱臼側の大腿骨頭が後上方に転位するため骨盤が前傾し、代償的に腰椎の前弯(反り腰)が増強する。腰椎後弯(猫背)は認められず、歩行開始後にはトレンデレンブルグ歩行も観察される。
ポイント
  • 先天性股関節脱臼の幼児期には腰椎後弯ではなく腰椎前弯の増強(反り腰)がみられる点が頻出である
  • 骨盤前傾→腰椎前弯増強という代償メカニズムを理解することが重要である
  • 女児に好発し、オルトラニー徴候は新生児〜乳児期早期の最重要スクリーニング所見である
  • 重要用語: 腰椎前弯増強, オルトラニー徴候, 骨盤前傾, 皮膚溝非対称 を正確に理解しておくこと。
比較表
脊椎変化 先天性股関節脱臼 混同しやすい疾患
腰椎前弯増強 ○(骨盤前傾の代償) 腰椎すべり症でも増強
腰椎後弯 ×(認められない) 圧迫骨折・シャイエルマン病
側弯 △(まれ) 特発性側弯症
解説画像
鍼灸 第9回(2001) 問題79|先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第9回(2001) 問題79|先天性股関節脱臼について誤っている記述はどれか。
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