学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ E. 形態異常 / Q0714

理由で解く 臨床医学各論

Q0714 整形外科疾患

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題80
問題
疾患とその特徴との組合わせで正しいのはどれか。
選択肢
1 原発性骨粗鬆症 ― アルカリフォスファタ―ゼ値の異常
2 骨肉腫 ― 老人に好発
3 脊椎カリエス ― 脊柱の運動制限
4 股関節脱臼 ― 硬性墜落跛行
解答
正解3(脊椎カリエス ― 脊柱の運動制限)
解説
✗ 1. 誤り
原発性骨粗鬆症 ― アルカリフォスファタ―ゼ値の異常
原発性骨粗鬆症では血清Ca・P・ALP値はいずれも正常範囲内である。骨量は減少しているが骨代謝回転は正常であるため、生化学検査で異常を示さない点が特徴である。ALP上昇がみられるのは骨軟化症、パジェット病、骨転移などであり鑑別のポイントとなる。
✗ 2. 誤り
骨肉腫 ― 老人に好発
骨肉腫は10〜20歳代の若年者に好発する原発性悪性骨腫瘍であり、膝周囲(大腿骨遠位端・脛骨近位端)の骨幹端部に発生しやすい。老人に好発するのは転移性骨腫瘍や多発性骨髄腫であり、骨肉腫とは好発年齢が全く異なる。
✓ 3. 正しい
脊椎カリエス ― 脊柱の運動制限
脊椎カリエス(脊椎結核)では結核菌による椎体破壊・膿瘍形成・炎症性疼痛・反射性筋スパズムにより、脊柱の可動域が高度に制限される。患者は棒のように硬直した姿勢をとり、前屈や回旋が困難となる。冷膿瘍や亀背(後弯変形)も特徴的所見である。
✗ 4. 誤り
股関節脱臼 ― 硬性墜落跛行
先天性股関節脱臼ではトレンデレンブルグ歩行(患側立脚時に健側骨盤が下降する動揺歩行)がみられる。硬性墜落跛行は脚長差がある場合に短い側の足が地面に落下するように接地する跛行であり、股関節脱臼の特徴的歩行パターンとは異なる。
ポイント
  • 脊椎カリエスでは椎体破壊と筋スパズムにより著しい脊柱運動制限が生じ、冷膿瘍・亀背も特徴的である
  • 原発性骨粗鬆症ではCa・P・ALPが正常である点が骨軟化症(Ca↓, P↓, ALP↑)との最重要鑑別点である
  • 骨肉腫は若年者に好発し、老人好発の転移性骨腫瘍・多発性骨髄腫と区別する
  • 重要用語: 脊椎カリエス, 原発性骨粗鬆症のALP正常, 骨肉腫の好発年齢, トレンデレンブルグ歩行 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 好発年齢 検査所見 特徴的症状
原発性骨粗鬆症 閉経後女性 Ca, P, ALP正常 圧迫骨折
骨軟化症 成人 Ca↓, P↓, ALP↑ 骨痛・筋力低下
骨肉腫 10〜20歳代 ALP↑ 膝周囲の腫脹・疼痛
脊椎カリエス 全年齢 赤沈↑, CRP↑ 脊柱運動制限・亀背
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題80|疾患とその特徴との組合わせで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題80|疾患とその特徴との組合わせで正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手