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理由で解く 臨床医学各論

Q0658 整形外科疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題88
問題
次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」運動療法で適切でないのはどれか。
選択肢
1 水中ウォーキング
2 体幹筋訓練
3 大腿四頭筋訓練
4 長距離歩行
解答
正解4(長距離歩行)
解説
✗ 1.
水中ウォーキング
✗ 正しい。水中ウォーキングは浮力により膝関節への荷重が軽減されるため、変形性膝関節症の運動療法として適切である。水中では体重の約1/6〜1/10の荷重となり、膝への負担を最小限にしながら有酸素運動と下肢筋力の維持が可能である。
✗ 2.
体幹筋訓練
✗ 正しい。体幹筋訓練は姿勢の安定性を向上させ、腰痛の改善にも有効であり、本症例(腰痛の既往あり)に対して適切な運動療法である。体幹の安定化により膝関節へのストレスも間接的に軽減される。
✗ 3.
大腿四頭筋訓練
✗ 正しい。大腿四頭筋訓練は変形性膝関節症に対する最も重要な運動療法の一つである。大腿四頭筋が強化されると膝関節が安定し、膝にかかる衝撃が吸収されやすくなるため、膝痛の軽減に効果がある。等尺性収縮訓練(パテラセッティング)など非荷重での訓練が推奨される。
✓ 4. 誤り
長距離歩行
長距離歩行は変形性膝関節症の運動療法として適切でない。78歳の肥満女性にとって長距離歩行は膝関節への過度な荷重負担となり、関節軟骨の摩耗を促進して症状を悪化させる。変形性膝関節症では膝関節への荷重を軽減しながら筋力を維持・向上させる運動療法が原則であり、長距離歩行はこの原則に反する。水中ウォーキングや大腿四頭筋訓練など、膝への負担が少ない運動を選択すべきである。
ポイント
  • 変形性膝関節症に対する運動療法では膝関節への荷重を軽減しつつ筋力を維持する方法を選択する
  • 大腿四頭筋訓練(等尺性収縮訓練・パテラセッティング)は変形性膝関節症の最も重要な運動療法である
  • 水中ウォーキングは浮力により荷重が軽減されるため有効であるが、長距離歩行は膝への過負荷となり不適切である
  • 重要用語: 変形性膝関節症, 大腿四頭筋訓練, 水中ウォーキング, 荷重軽減, 長距離歩行は不適切 を正確に理解しておくこと。
比較表
運動療法 適否 理由
水中ウォーキング 適切 浮力で荷重軽減、有酸素運動が可能
体幹筋訓練 適切 姿勢安定、腰痛改善にも有効
大腿四頭筋訓練 適切 膝関節の安定化、最重要の運動療法
長距離歩行 不適切 膝への過度な荷重負担、症状悪化
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題88|次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」運動療法で適切でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題88|次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」運動療法で適切でないのはどれか。
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