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理由で解く 臨床医学各論

Q0657 整形外科疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題87
問題
次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」診断に有用性が最も低いのはどれか。
選択肢
1 間欠跛行の聴取
2 膝蓋跳動
3 スパーリングテスト
4 下肢伸展挙上テスト
解答
正解3(スパーリングテスト)
解説
✗ 1.
間欠跛行の聴取
✗ 正しい。間欠跛行の聴取は腰部脊柱管狭窄症の鑑別に有用である。78歳で以前から腰痛がある患者では、腰部脊柱管狭窄症による下肢への放散痛が膝内側痛として自覚されている可能性がある。間欠性跛行の有無を問診で確認することは鑑別診断として意義がある。
✗ 2.
膝蓋跳動
✗ 正しい。膝蓋跳動は膝関節水腫(関節液貯留)の有無を評価する重要な検査である。78歳肥満女性の膝内側痛からは変形性膝関節症が最も疑われ、関節水腫の合併を評価するために膝蓋跳動の確認は診断に有用である。関節液が貯留すると膝蓋骨を圧迫したときに浮動感を認める。
✓ 3. 誤り
スパーリングテスト
スパーリング(Spurling)テストは頸椎疾患(頸椎神経根症)の評価に用いられる検査であり、頭部を患側に傾けて頸部を過伸展させながら上方から圧迫し、上肢への放散痛を誘発する。本症例は78歳女性の左膝内側痛であり、頸椎レベルの問題ではないため、スパーリングテストの有用性は最も低い。
✗ 4.
下肢伸展挙上テスト
✗ 正しい。下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)は腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経の刺激を検出する検査である。以前から腰痛がある患者であるため、膝内側痛が腰椎由来の放散痛でないか鑑別する目的でSLRテストは有用性がある。
ポイント
  • スパーリングテストは頸椎神経根症の検査法であり、膝関節痛の評価には無関係である
  • 高齢肥満女性の膝内側痛では変形性膝関節症が最も疑われ、腰椎疾患からの放散痛も鑑別に含める
  • 変形性膝関節症では中高年肥満女性に好発し、内反(O脚)変形と膝内側の疼痛が特徴的である
  • 重要用語: スパーリングテスト, 変形性膝関節症, 膝蓋跳動, SLRテスト, 間欠跛行 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査法 評価対象 本症例での有用性
間欠跛行の聴取 腰部脊柱管狭窄症 有用(腰痛の既往から鑑別)
膝蓋跳動 膝関節水腫 有用(変形性膝関節症の評価)
SLRテスト 腰椎椎間板ヘルニア 有用(腰椎由来の放散痛の鑑別)
スパーリングテスト 頸椎神経根症 有用性が最も低い
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題87|次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」診断に有用性が最も低いのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題87|次の症例について、「78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。」診断に有用性が最も低いのはどれか。
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