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理由で解く 臨床医学各論

Q0639 整形外科疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題81
問題
変形性膝関節症について正しい記述はどれか。
選択肢
1 滑膜組織の摩耗を主病変とする。
2 安静時痛が主症状である。
3 単純エックス線像で関節裂隙の拡大を認める。
4 大腿四頭筋訓練が有効である。
解答
正解4(大腿四頭筋訓練が有効である。)
解説
✗ 1. 誤り
滑膜組織の摩耗を主病変とする。
変形性膝関節症の主病変は関節軟骨の摩耗・変性であり、滑膜組織の摩耗ではない。滑膜の炎症(パンヌス形成)を主病変とするのは関節リウマチである。変形性膝関節症では関節軟骨の退行変性が先行し、破壊された軟骨の破片が滑膜を刺激して二次的に滑膜炎が生じることはあるが、主病変ではない。
✗ 2. 誤り
安静時痛が主症状である。
変形性膝関節症の主症状は起動時痛(歩行開始時痛、starting pain)であり、安静時痛ではない。疼痛は椅子から立ち上がるなどの運動開始時に多い。動き始めに痛みが出て徐々に軽減するのが特徴であり、安静時痛や夜間痛は進行期以降に出現する。
✗ 3. 誤り
単純エックス線像で関節裂隙の拡大を認める。
関節軟骨の摩耗により関節裂隙は「狭小化」する。関節裂隙の「拡大」ではない。X線所見として関節裂隙の狭小化がみられる。その他のX線所見として骨棘形成、軟骨下骨の硬化像、骨嚢胞がある。関節裂隙の狭小化は変形性関節症全般に共通する基本的なX線所見である。
✓ 4. 正しい
大腿四頭筋訓練が有効である。
大腿四頭筋の筋力訓練は膝関節の動的安定性を向上させ、変形性膝関節症の保存的治療として極めて有効である。仰臥位での下肢挙上訓練など、四頭筋強化トレーニングを指導する。等尺性収縮訓練(SLR訓練など)は関節に過度の負荷をかけずに筋力強化できるため、関節面の摩耗を進行させずに治療効果が得られる利点がある。
ポイント
  • 変形性膝関節症の主病変は「関節軟骨」の摩耗であり、「滑膜」の摩耗ではない。滑膜の炎症が主体なのは関節リウマチである
  • 主症状は「起動時痛(歩行開始時痛)」であり、安静時痛は進行期以降に出現する
  • X線では関節裂隙の「狭小化」が基本所見であり、「拡大」ではない。骨棘形成・軟骨下骨硬化も重要なX線所見である
  • 大腿四頭筋訓練(特にSLR訓練などの等尺性収縮訓練)は膝関節の安定化に有効な保存的治療の中心である
  • 重要用語: 関節軟骨の摩耗, 起動時痛, 関節裂隙狭小化, 大腿四頭筋訓練 を正確に理解しておくこと。
比較表
誤りやすいポイント 正しい知識
主病変=滑膜の摩耗 主病変=関節軟骨の摩耗(滑膜=関節リウマチ)
主症状=安静時痛 主症状=起動時痛(安静時痛は進行期以降)
X線=関節裂隙の拡大 X線=関節裂隙の狭小化
大腿四頭筋訓練は無効 大腿四頭筋訓練は有効な保存的治療
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題81|変形性膝関節症について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題81|変形性膝関節症について正しい記述はどれか。
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