学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1203

理由で解く 臨床医学各論

Q1203 神経疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題80
問題
総腓骨神経麻痺について正しい記述はどれか。
選択肢
1 足底の感覚障害を生じる。
2 足関節部の圧迫によって発症する。
3 足関節の背屈運動が障害される。
4 足趾の底屈運動が障害される。
解答
正解3(足関節の背屈運動が障害される。)
解説
✗ 1. 誤り
足底の感覚障害を生じる。
足底の感覚は脛骨神経(内側・外側足底神経)の支配領域であり、総腓骨神経麻痺では障害されない。 総腓骨神経の感覚支配領域は下腿外側から足背にかけてであり、足底の感覚障害がある場合は脛骨神経障害を疑う。
✗ 2. 誤り
足関節部の圧迫によって発症する。
総腓骨神経は腓骨頭の外側を取り巻くように走行しており、この部分での外部からの圧迫により麻痺が発生する。 足関節部の圧迫ではなく、腓骨頭部での圧迫が原因である。長時間の足組み・術中麻酔下の体位・ギプスによる医原性圧迫も原因となる。
✓ 3. 正しい
足関節の背屈運動が障害される。
総腓骨神経は前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋などの下腿前面・外側の筋群を支配しており、麻痺すると足関節の背屈が不能となる。 これにより下垂足を呈し、歩行時にはつま先を引きずらないよう足を高く上げる鶏歩(下垂足歩行)となる。 腓骨神経麻痺は下肢の神経麻痺のなかで最も頻度が高い。
✗ 4. 誤り
足趾の底屈運動が障害される。
足趾の底屈は脛骨神経支配の筋群(長趾屈筋・長母趾屈筋など)が担当するため、総腓骨神経麻痺では障害されない。 総腓骨神経麻痺で障害されるのは足趾の「伸展(背屈)」であり、底屈ではない。背屈と底屈の支配神経を混同しないことが重要である。
ポイント
  • 総腓骨神経は腓骨頭部で圧迫を受けやすく、麻痺すると足関節の背屈不能(下垂足)と鶏歩を呈する。
  • 足底の感覚や足趾の底屈は脛骨神経の支配であり、総腓骨神経麻痺では障害されない。
  • 圧迫部位は腓骨頭外側であり、足関節部ではない。長時間の足組みなど日常動作でも発症しうる。
  • 重要用語: 総腓骨神経, 腓骨頭部, 背屈障害, 下垂足, 鶏歩 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 総腓骨神経 脛骨神経
支配筋群 前脛骨筋・長趾伸筋 腓腹筋・ヒラメ筋・長趾屈筋
運動機能 足関節背屈・足趾伸展 足関節底屈・足趾屈曲
感覚支配 下腿外側・足背 足底
圧迫部位 腓骨頭外側 足根管
麻痺時所見 下垂足・鶏歩 つま先立ち不能
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題80|総腓骨神経麻痺について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題80|総腓骨神経麻痺について正しい記述はどれか。
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