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理由で解く 臨床医学各論

Q0635 整形外科疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題72
問題
「50歳の女性。子供の頃、先天性股関節脱臼で治療を受けたことがある。最近、左股関節部に痛みがあり跛行するようになった。エックス線検査の結果、変形性股関節症と診断された。」この症例の疾患について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 一次性の関節症である。
2 トレンデレンブルグ歩行がみられる。
3 初期には歩行開始時痛がある。
4 股関節の可動域制限がみられる。
解答
正解1(一次性の関節症である。)
解説
✓ 1. 誤り
一次性の関節症である。
先天性股関節脱臼の既往がある変形性股関節症は二次性(続発性)の関節症であり、一次性ではない。わが国の変形性股関節症は二次性が約80%を占め、先天性股関節脱臼・同亜脱臼・臼蓋形成不全が主な基礎疾患である。わが国では一次性は約15%程度、二次性が約80%。この症例は先天性股関節脱臼の治療歴があるため、明らかに二次性である。
✗ 2.
トレンデレンブルグ歩行がみられる。
✗ 正しい。変形性股関節症では股関節外転筋力(中殿筋)の低下によりトレンデレンブルグ歩行がみられる。患側立脚時に骨盤が健側へ下がり、肩が患側へ傾く特徴的な歩行パターンであり、進行例で顕著となる。
✗ 3.
初期には歩行開始時痛がある。
✗ 正しい。変形性股関節症の初期には歩行開始時痛(starting pain)がみられる。歩行や立ち座り、寝返りなどの股関節運動時に股関節部痛が出現し、安静にすると軽減する傾向がある。
✗ 4.
股関節の可動域制限がみられる。
✗ 正しい。軟骨変性・摩耗と骨棘形成により股関節の可動域制限が生じる。進行とともに屈曲・内旋・外旋など全方向の可動域が制限され、日常生活動作に著しい支障をきたす。
ポイント
  • わが国の変形性股関節症は二次性が大部分(約80%)を占め、先天性股関節脱臼・臼蓋形成不全が主な原因疾患である。
  • 一次性(原因不明)は約15%と少なく、先天性股関節脱臼の既往がある本症例は明らかに二次性である。
  • トレンデレンブルグ歩行は股関節外転筋力低下(中殿筋機能不全)を示す重要な所見である。
  • 重要用語: 二次性変形性股関節症, 先天性股関節脱臼, トレンデレンブルグ歩行, 臼蓋形成不全 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 一次性変形性股関節症 二次性変形性股関節症
頻度(日本) 約15% 約80%
原因 明らかな原因なし 先天性股関節脱臼・臼蓋形成不全など
好発 欧米に多い 日本に多い
性差 女性に圧倒的に多い
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題72|「50歳の女性。子供の頃、先天性股関節脱臼で治療を受けたことがある。最近、左股関節部に痛みがあり跛行するようになった。エックス線検査の結果、変形性股関節症と診断された。」この症例の疾患について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題72|「50歳の女性。子供の頃、先天性股関節脱臼で治療を受けたことがある。最近、左股関節部に痛みがあり跛行するようになった。エックス線検査の結果、変形性股関節症と診断された。」この症例の疾患について誤っている記述はどれか。
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