学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0660

理由で解く 臨床医学各論

Q0660 整形外科疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題71
問題
肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。
選択肢
1 帯を結ぶのが困難となる。
2 有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)がみられる。
3 ライトテストが陽性となる。
4 上腕二頭筋長頭筋腱に圧痛がみられる。
解答
正解3(ライトテストが陽性となる。)
解説
✗ 1.
帯を結ぶのが困難となる。
✗ 正しい。肩関節周囲炎では肩関節の可動域制限が生じ、結帯動作(帯を結ぶ動作=内旋・後方挙上)が困難となる。 結帯動作は肩関節の内旋と伸展が必要であり、肩関節周囲炎による拘縮で制限されやすい動作の一つである。結髪動作(外旋・挙上)とともに日常生活の支障を評価する指標となる。
✗ 2.
有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)がみられる。
✗ 正しい。有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)は肩関節の外転60〜120度の範囲で疼痛が出現する所見であり、肩関節周囲炎でみられる。 肩峰下のインピンジメントによる腱板の挟み込みが原因であり、この角度を超えると痛みが軽減するのが特徴的である。
✓ 3. 誤り
ライトテストが陽性となる。
ライトテストは胸郭出口症候群の検査法であり、肩関節周囲炎の検査としては不適切である。 ライトテスト(Wright test)は上肢を外転90度・外旋位にして橈骨動脈の拍動減弱や消失を確認する過外転症候群の誘発テストであり、腕神経叢や鎖骨下動脈の圧迫を評価するものである。肩関節周囲炎の検査ではない。
✗ 4.
上腕二頭筋長頭筋腱に圧痛がみられる。
✗ 正しい。肩関節周囲炎では上腕二頭筋長頭筋腱が走行する結節間溝部に圧痛がみられることが多い。 上腕二頭筋長頭腱炎は肩関節周囲炎の一病態であり、ヤーガソンテストやスピードテストで疼痛が誘発される。
ポイント
  • 肩関節周囲炎では結帯・結髪動作の制限、有痛弧徴候、上腕二頭筋長頭筋腱の圧痛がみられる
  • ライトテストは胸郭出口症候群(過外転症候群)の検査法であり、肩関節周囲炎の検査ではない
  • 肩関節周囲炎の検査と胸郭出口症候群の検査は混同しやすいため、各検査の対象疾患を正確に区別する
  • 重要用語: 肩関節周囲炎, ライトテスト, 胸郭出口症候群, 結帯動作, ペインフルアークサイン を正確に理解しておくこと。
比較表
検査・所見 対象疾患 検査の概要
ペインフルアークサイン 肩関節周囲炎(腱板障害) 外転60〜120度で疼痛出現
ヤーガソンテスト 上腕二頭筋長頭腱炎 前腕回外抵抗で結節間溝部痛
スピードテスト 上腕二頭筋長頭腱炎 肩関節前方挙上抵抗で結節間溝部痛
ライトテスト 胸郭出口症候群 上肢外転・外旋で橈骨動脈拍動減弱
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題71|肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題71|肩関節周囲炎について適切でない記述はどれか。
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