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理由で解く 臨床医学各論

Q0629 整形外科疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題70
問題
高齢者の転倒しやすい理由でないのはどれか。
選択肢
1 立ち直り反応の亢進
2 感覚機能の低下
3 関節可動範囲の制限
4 重心動揺の増大
解答
正解1(立ち直り反応の亢進)
解説
✓ 1. 誤り
立ち直り反応の亢進
高齢者では立ち直り反応(姿勢が崩れた際に元の姿勢に戻ろうとする反射的反応)は低下するのであり、亢進ではない。立ち直り反応が亢進すれば姿勢制御能力が向上して転倒しにくくなるはずである。「亢進」という記述は高齢者の転倒理由として誤りであり、これが正答である。
✗ 2.
感覚機能の低下
✗ 正しい。加齢に伴い視覚・深部感覚(固有受容覚)・前庭機能などの感覚機能が低下する。これらは姿勢保持や平衡感覚に重要であり、低下すると環境の変化に対応できず転倒リスクが高まる。
✗ 3.
関節可動範囲の制限
✗ 正しい。加齢による関節の退行変性や拘縮により関節可動範囲が制限されると、歩行時のバランス調整や段差越えが困難になり転倒しやすくなる。特に足関節や膝関節の可動域制限は歩行パターンの変化を招く。
✗ 4.
重心動揺の増大
✗ 正しい。加齢により筋力低下や感覚機能低下が進むと重心動揺が増大し、立位バランスが不安定になって転倒リスクが上昇する。重心動揺計で客観的に評価することができる。
ポイント
  • 高齢者の転倒リスク因子は「立ち直り反応の低下(亢進ではない)」「感覚機能低下」「関節可動域制限」「重心動揺増大」「筋力低下」などである。
  • 立ち直り反応は「低下」が正しく、「亢進」は転倒しにくくなる方向に作用するため誤りである。
  • 骨粗鬆症の患者では転倒が骨折に直結するため、転倒防止(運動療法・バリアフリー化)が極めて重要である。
  • 重要用語: 立ち直り反応, 感覚機能低下, 重心動揺, 転倒リスク因子 を正確に理解しておくこと。
比較表
転倒リスク因子 高齢者での変化 結果
立ち直り反応 低下(亢進ではない) 姿勢復元能力低下
感覚機能 視覚・固有受容覚・前庭機能の低下 環境認知力低下
関節可動域 退行変性による制限 バランス調整困難
重心動揺 増大 立位バランス不安定
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題70|高齢者の転倒しやすい理由でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題70|高齢者の転倒しやすい理由でないのはどれか。
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