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理由で解く 臨床医学各論

Q0607 整形外科疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題72
問題
長期臥床による生体への影響で誤っているのはどれか。
選択肢
1 骨のカルシウムの減少
2 脊柱支持筋力の低下
3 心拍出量の減少
4 酸素摂取量の増加
解答
正解4(酸素摂取量の増加)
解説
✗ 1.
骨のカルシウムの減少
✗ 正しい。長期臥床により骨への荷重刺激(メカニカルストレス)が減少すると、骨芽細胞の活性が低下し、骨からカルシウムが喪失する。これを廃用性骨萎縮(不動性骨粗鬆症)といい、骨密度の低下と骨折リスクの増大を招く。高カルシウム尿症や尿路結石の原因にもなる。
✗ 2.
脊柱支持筋力の低下
✗ 正しい。長期臥床により脊柱起立筋などの姿勢保持筋が使われなくなり、廃用性に筋萎縮と筋力低下が生じる。筋線維の数は減少しないが、筋線維の太さが細くなり(筋線維の萎縮)、筋力が著しく低下する。この変化は早期から始まり、2週間の臥床で約20%の筋力低下が起こる。
✗ 3.
心拍出量の減少
✗ 正しい。長期臥床により心臓への静脈還流量が減少し、心筋の活動量も低下するため、心拍出量が減少する。また、起立性低血圧を起こしやすくなり、急に立ち上がったときに脳血流が減少してめまいや失神を生じる可能性がある。心機能の予備能も低下する。
✓ 4. 誤り
酸素摂取量の増加
長期臥床により全身の代謝レベルは低下し、最大酸素摂取量は減少する。活動量の低下に伴い、呼吸循環系の機能も低下し、全身持久力(有酸素運動能力)が著しく低下する。酸素摂取量が増加するのではなく減少するのが正しい。無重力状態の宇宙飛行士でも同様の変化が観察される。
ポイント
  • 長期臥床による廃用症候群では全身の代謝が低下し、最大酸素摂取量は減少する(増加ではない)
  • 廃用性変化として骨萎縮(カルシウム喪失)、筋萎縮(筋力低下)、心機能低下(心拍出量減少)、呼吸機能低下が生じる
  • 長期臥床は深部静脈血栓症・褥瘡・起立性低血圧・関節拘縮など多臓器にわたる二次障害を引き起こす
  • 重要用語: 廃用症候群と不動性骨粗鬆症 を正確に理解しておくこと。
比較表
廃用症候群の分類 主な変化 臨床所見
筋骨格系 廃用性筋萎縮・不動性骨粗鬆症 筋力低下・骨折リスク増大
循環器系 心拍出量減少・静脈還流低下 起立性低血圧・深部静脈血栓症
呼吸器系 呼吸機能低下・排痰困難 最大酸素摂取量減少・沈下性肺炎
皮膚・代謝 局所圧迫・代謝低下 褥瘡・尿路結石
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題72|長期臥床による生体への影響で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題72|長期臥床による生体への影響で誤っているのはどれか。
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