学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0566

理由で解く 臨床医学各論

Q0566 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題59
問題
骨密度が保たれていても骨折を起こしやすいのはどれか。
選択肢
1 糖尿病
2 高血圧症
3 脂質異常症
4 高尿酸血症
解答
正解1(糖尿病)
解説
✓ 1. 正しい
糖尿病
糖尿病では骨密度が正常あるいは増加していても、骨質(骨のコラーゲン架橋構造)が劣化するため骨折リスクが上昇する。特に2型糖尿病ではAGEs(終末糖化産物:advanced glycation end products)が骨のコラーゲンに蓄積し、正常な酵素的架橋が異常な非酵素的架橋に置き換わることで骨の柔軟性と強度が低下する。このため、DXA法による骨密度評価だけでは糖尿病患者の骨折リスクを過小評価する恐れがある。
✗ 2. 誤り
高血圧症
高血圧症は心血管系の疾患であり、骨密度が正常な状態での骨折リスク上昇との直接的な関連は乏しい。降圧薬のうちサイアザイド系利尿薬はカルシウム排泄を減少させ、むしろ骨密度維持に寄与するとの報告がある。
✗ 3. 誤り
脂質異常症
脂質異常症は動脈硬化の主要な危険因子であるが、骨密度が正常な状態で骨折リスクを上昇させる主要な原因とはならない。骨折リスクに直接関わる代謝疾患としては糖尿病が重要である。
✗ 4. 誤り
高尿酸血症
高尿酸血症は痛風・尿管結石・腎障害の原因となるが、骨密度が正常な状態で骨折リスクを上昇させることは特徴的ではない。骨折と直接結びつく疾患ではない。
ポイント
  • 骨の強度は「骨密度」と「骨質」の両方で決まる(骨強度=骨密度+骨質)
  • 糖尿病ではAGEsの蓄積によりコラーゲン架橋が異常化し、骨密度が正常でも骨折リスクが上昇する
  • DXA法の骨密度だけでは糖尿病患者の骨折リスクを評価しきれない点が出題ポイント
  • 重要用語: 糖尿病性骨質劣化、AGEs(終末糖化産物)、コラーゲン架橋異常、骨強度 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題59|骨密度が保たれていても骨折を起こしやすいのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題59|骨密度が保たれていても骨折を起こしやすいのはどれか。
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