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理由で解く 臨床医学各論

Q0792 整形外科疾患

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題58
問題
頚椎症性神経根症でみられるのはどれか。
選択肢
1 握力低下
2 腱反射亢進
3 尿閉
4 病的反射
解答
正解1(握力低下)
解説
✓ 1. 正しい
握力低下
頚椎症性神経根症では、変性した頸椎(骨棘や椎間板膨隆)により神経根が圧迫される。神経根は下位運動ニューロンに相当するため、圧迫された神経根が支配する筋に筋力低下が生じる。C6〜C8神経根が障害されると手指の筋力低下により握力低下を認める。加えて、障害された神経根のデルマトームに一致した放散痛やしびれなどの感覚障害も特徴的である。
✗ 2. 誤り
腱反射亢進
腱反射亢進は上位運動ニューロン障害(脊髄症)の所見である。神経根症は下位運動ニューロン障害であるため、障害された神経根支配領域の腱反射はむしろ低下〜消失する。腱反射亢進がみられる場合は脊髄症を疑う。
✗ 3. 誤り
尿閉
尿閉(膀胱直腸障害)は脊髄障害の所見であり、神経根症では通常みられない。膀胱直腸障害の出現は脊髄症や馬尾症候群を示唆する重要な所見である。
✗ 4. 誤り
病的反射
病的反射(バビンスキー反射、ホフマン反射など)は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の所見であり、末梢の神経根症ではみられない。病的反射陽性は脊髄症との鑑別において重要な指標となる。
ポイント
  • 神経根症は下位運動ニューロン障害であり、筋力低下・腱反射低下・感覚障害(デルマトームに一致)が主徴
  • 脊髄症は上位運動ニューロン障害であり、腱反射亢進・病的反射陽性・膀胱直腸障害が主徴
  • 脊髄症と神経根症の鑑別は治療方針の決定に直結するため正確に理解する
  • 重要用語: 頚椎症性神経根症, 下位運動ニューロン, 脊髄症, 病的反射 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別項目 頚椎症性神経根症 頚椎症性脊髄症
障害部位 神経根(下位運動ニューロン) 脊髄(上位運動ニューロン)
麻痺の型 弛緩性麻痺 痙性麻痺
腱反射 低下〜消失 亢進
病的反射 陰性 陽性(バビンスキー反射など)
膀胱直腸障害 なし あり(進行例)
感覚障害 デルマトームに一致した限局性 障害高位以下のびまん性
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題58|頚椎症性神経根症でみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題58|頚椎症性神経根症でみられるのはどれか。
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