学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ B. 脂質代謝異常 / Q0567

理由で解く 臨床医学各論

Q0567 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題69
問題
動脈硬化症を増悪しない血中因子はどれか。
選択肢
1 総コレステロール
2 中性脂肪
3 HDLコレステロール
4 LDLコレステロール
解答
正解3(HDLコレステロール)
解説
✗ 1.
総コレステロール
✗ 正しい。総コレステロールの高値は動脈硬化の危険因子である。総コレステロールにはLDLとHDLの両方が含まれるが、高値の場合はLDLの増加を反映していることが多く、血管壁へのコレステロール沈着を促進して動脈硬化を増悪させる。
✗ 2.
中性脂肪
✗ 正しい。中性脂肪(トリグリセリド)の高値(≧150mg/dL)は動脈硬化の危険因子である。高トリグリセリド血症はsmall dense LDL(小型高密度LDL)の産生を促し、HDLコレステロールを低下させることで、間接的に動脈硬化を増悪させる。
✓ 3. 誤り
HDLコレステロール
HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、末梢組織に沈着したコレステロールを回収して肝臓へ逆輸送する働きをもつ。HDL高値は動脈硬化の進展を抑制する保護因子であり、動脈硬化を増悪させない。逆にHDL低値(<40mg/dL)は動脈硬化の危険因子となる。
✗ 4.
LDLコレステロール
✗ 正しい。LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、動脈硬化の最大の危険因子である。LDLは血管壁に侵入して酸化LDLとなり、マクロファージに取り込まれて泡沫細胞を形成し、粥状動脈硬化(アテローム硬化)を進行させる。
ポイント
  • HDLコレステロールは動脈硬化を抑制する唯一の保護的脂質因子であり、LDL・総コレステロール・中性脂肪の高値はいずれも促進因子である。
  • 脂質異常症の診断基準: LDL≧140mg/dL、HDL<40mg/dL、TG≧150mg/dLのいずれかを満たす場合に診断する。
  • 重要用語: HDLコレステロール(善玉)、LDLコレステロール(悪玉)、コレステロール逆輸送、脂質異常症 を正確に理解しておくこと。
比較表
脂質成分 動脈硬化への影響 診断基準(異常値)
LDLコレステロール 促進(最大の危険因子) ≧140mg/dL
HDLコレステロール 抑制(保護因子) <40mg/dL(低値が危険)
トリグリセリド 促進(間接的) ≧150mg/dL
総コレステロール 促進 ≧220mg/dL
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題69|動脈硬化症を増悪しない血中因子はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題69|動脈硬化症を増悪しない血中因子はどれか。
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