学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0549

理由で解く 臨床医学各論

Q0549 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題74
問題
糖尿病について正しい記述はどれか。
選択肢
1 2 型糖尿病は若年者に多い。
2 乏尿がみられる。
3 グリコアルブミンは過去1~2 か月の血糖値を反映する。
4 1 型糖尿病患者にはインスリン療法を行う。
解答
正解4(1型糖尿病患者にはインスリン療法を行う)
解説
✗ 1. 誤り
2 型糖尿病は若年者に多い。
2型糖尿病は中高年(40歳以降)に多く発症し、遺伝的素因に加えて過食・運動不足・肥満などの環境因子が発症に関与する。日本の糖尿病患者の約95%は2型である。一方、若年者に多いのは1型糖尿病であり、自己免疫による膵β細胞破壊が原因で、小児〜思春期に好発する。
✗ 2. 誤り
乏尿がみられる。
糖尿病では乏尿ではなく多尿がみられる。高血糖により血中グルコースが腎臓の再吸収閾値を超えると尿中にグルコースが排泄され(尿糖)、浸透圧利尿により尿量が増加する。口渇・多飲・多尿が糖尿病の三大症状である。乏尿は腎不全や脱水で認められる所見であり、糖尿病の典型的症状とは逆である。
✗ 3. 誤り
グリコアルブミンは過去1~2 か月の血糖値を反映する。
グリコアルブミン(GA)は過去約2週間の平均血糖値を反映する指標であり、「1〜2ヵ月」ではない。アルブミンの半減期が約17日であるためこの期間を反映する。一方、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は赤血球の寿命(約120日)に基づき、過去1〜2ヵ月の平均血糖値を反映する。両者の反映期間の違いは頻出ポイントである。
✓ 4. 正しい
1 型糖尿病患者にはインスリン療法を行う。
1型糖尿病は自己免疫反応により膵β細胞が破壊され、インスリン分泌が絶対的に欠乏する。そのため生存のためにインスリン補充療法が不可欠であり、「インスリン依存型」ともよばれる。食事療法・運動療法は補助的に行うが、経口血糖降下薬のみでは血糖コントロールは不可能である。
ポイント
  • 1型糖尿病ではインスリン分泌が枯渇しているため、インスリン補充療法が生命維持に必須である。
  • HbA1cとグリコアルブミンの反映期間の違いは頻出事項:HbA1cは過去1〜2ヵ月、グリコアルブミンは過去約2週間を反映する。
  • 2型糖尿病は中高年・肥満者に多く(日本の糖尿病の約95%)、1型糖尿病は若年者に多い。
  • 重要用語: インスリン療法、HbA1c、グリコアルブミン、浸透圧利尿、1型糖尿病、2型糖尿病 を正確に理解しておくこと。
比較表
指標 反映期間 根拠 特徴
HbA1c 過去1〜2ヵ月 赤血球の寿命(約120日) 長期血糖管理の指標
グリコアルブミン(GA) 過去約2週間 アルブミンの半減期(約17日) 短期血糖変動の評価
1,5-AG 数日間 尿糖排泄に伴い血中値低下 食後高血糖の評価
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題74|糖尿病について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題74|糖尿病について正しい記述はどれか。
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