学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0548

理由で解く 臨床医学各論

Q0548 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題84
問題
糖尿病の初期症状はどれか。
選択肢
1 視力低下
2 口渇
3 四肢のしびれ
4 下腿潰瘍
解答
正解2(口渇)
解説
✗ 1. 誤り
視力低下
視力低下は糖尿病性網膜症による晩期合併症である。網膜症は糖尿病罹病期間が長くなるにつれて進行し(通常5〜10年以上)、増殖網膜症の段階で硝子体出血や牽引性網膜剥離により急激な視力低下をきたす。初期の単純網膜症では自覚症状に乏しいため、定期的な眼底検査が重要である。
✓ 2. 正しい
口渇
口渇は糖尿病の典型的な初期症状である。高血糖により血漿浸透圧が上昇し、腎臓での糖排泄閾値(約170mg/dL)を超えると尿糖が出現する。尿糖による浸透圧利尿で多尿となり、体液喪失に伴い口渇・多飲が生じる。口渇・多飲・多尿は糖尿病の三大症状とよばれ、全身倦怠感や体重減少とともに初期症状として重要である。
✗ 3. 誤り
四肢のしびれ
四肢のしびれは糖尿病性末梢神経障害(多発性神経障害)の症状であり、晩期合併症に分類される。糖尿病性神経障害は手袋靴下型の感覚障害(しびれ、痛覚鈍麻)を特徴とし、下肢遠位部から左右対称性に始まる。高血糖によるソルビトール蓄積や虚血性変化が原因とされる。
✗ 4. 誤り
下腿潰瘍
下腿潰瘍は糖尿病性足病変(糖尿病性壊疽)の一つであり、末梢動脈疾患による血行障害と末梢神経障害による感覚低下が複合して生じる晩期合併症である。感覚低下のため外傷に気づかず、血行不良により創傷治癒が遅延し、二次感染を伴って潰瘍・壊疽に進展する。
ポイント
  • 糖尿病の初期症状は口渇・多飲・多尿・全身倦怠感・体重減少であり、いずれも高血糖そのものによる症状である。
  • 視力低下・しびれ・潰瘍はいずれも糖尿病の慢性合併症(細小血管障害・大血管障害)による晩期症状であり、初期症状ではない。
  • 初期症状と晩期合併症を明確に区別して覚えること。高血糖そのものの症状か、持続的な高血糖による臓器障害の症状かが区別のポイント。
  • 重要用語: 口渇、多飲、多尿、浸透圧利尿、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
時期 症状・所見 機序
初期症状 口渇、多飲、多尿、体重減少、倦怠感 高血糖→浸透圧利尿→脱水
晩期合併症(細小血管障害) 視力低下、蛋白尿、しびれ 網膜症、腎症、神経障害
晩期合併症(大血管障害) 下腿潰瘍、胸痛、麻痺 ASO、心筋梗塞、脳梗塞
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題84|糖尿病の初期症状はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題84|糖尿病の初期症状はどれか。
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